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ループ! 神にまで上り詰めた男が 次の世界で何を望む。  作者: 御剣 大河
第1章  影の勇者と糞女神
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 いらだち


「そういえば、イリス! お前さぁ~カイトから アイテムバック、もらったよなぁ~」


「それが何よ。私がカイト君に依頼を出して作って貰ったものよ。お金も支払っているわよ」


 カイト君からのお願いだったから聞いておいて良かった。その場で串焼きを100本も買わされてしまったけど 近くにいた孤児たちに食べさせる為なんて いつもながらやさしい子だと思ったわ。


「もしかして カイトの悪知恵か」


「あの子の善意を疑うの 冒険者を敵に回すわよ」


 カイトが冒険者ギルドに顔を出した時などは、無料で治療してくれているので大抵の冒険者が命を取り留めているし、治療院に行くと高額でも 大抵のケガだった時などは冒険者ギルドで治療も行っていた。


 そんな事もあってか、カイトは重宝されていた。魔物の素材を持ち込んでもお金の支払いもイーナスの口座に振り込んでもらう為、冒険者カードを持っていなくても問題も無く すんなりと済んでしまっていた。


「カイトは、先見の目を持っているからな 疑いたくなる処もあってなぁ~」


「そんなにも暇だったら イーナスさまの処に行ったらいいんじゃ~ないの」


「あの場所に顔を出した途端に雷神の雨が降り注ぐぞ。それも1点集中で 街中とか、関係なく」


 イリスもロベルトも知っていた。カイトと2人きりの時間を潰すと とんでもない程の魔法攻撃を受けてしまう事を それでも自分達の被害を回避するために あえて イーナスの名前を出すのであった。


「いいじゃない。友達で親友なのでしょう。2人は」


「イリス、お前も知っているだろうに イーナスの時間を潰すと とんでもない事が起きるって 国王のおっさんでも日曜日の呼び出しをしてこないって言う事は、冒険者なら誰でも知っている事だ


 頼むから 私の暇な時間に付き合ってくれよ」


「私達と行動を共にしたいと思ったら イーナスさまも同行を認めるわ」


 あなたみたいに処かまわず、戦闘してしまう人が 誰が付いてこれるって言うのよ。死体を見ながら食事ができる。イーナスさまだけよ。私も久し振りにカイト君の食事を食べてみたいものね。


 イリス達と話をしていると何も知らない。獣王国の冒険者達が ロダンスウォール国の冒険者ギルドに顔を出すと見知った顔を見た。ニーナがパトリットを見つけるのであった。何も知らない、彼等が可哀そうだ。


「ガーナァーニャン、知っている顔がいるニャン」


 ニーナの顔を見ても知らない顔だったが ガーナァーの顔を見て思い出す。


「あの時、森の中にいた連中か。蟲使いの女はどうした」


 蟲使いの女と聞いて イリスが振り向くとガーナァーと目が合った。


「ガーナァー、いい処に来てくれた。パトリットと話し相手になってやってくれ、私達は退散する」


 理由も告げないで逃げ出してしまうのであった。そこに受付嬢が顔を出してギルドカードをパトリットに手渡すのであった。


「ギルドカードの確認が終わりました。今回もSランクになる事を断るのですか。パトリットさん」


「私は、どうでもいい事なのだが イーナスが断れば、ならんだろうな。多分」


「王都と言うくらいだから 王都の冒険者ギルドに顔を出してみれば、新人冒険者しかいないのだな! 関心にも討伐にでも行っているのか」


「さすが人間族と言った処か。真面目だな」


「猫耳女、また 私の食事を取ろうなどと思うなよ。今度は容赦なく、首を切り離してやるぞ」


 パトリットの殺気を受けて ブルブルと震えあがってしまった。ニーナが 


 正面にいる。戦乙女の殺気を受けて獣王国の冒険者達までもが震えあがるのであった。そんな中、


「私は、ガーナァーと申す。今日は、賢者 イーナスとあの少年は、不在か」


「イーナスとカイトか、あの2人なら鍜治場にいる。死にたくなかったら近づくな!


 イーナスの魔法攻撃で死ぬぞ。私は、カイトが作ってくれた防具で死ぬ事も無いと思うが それでも恐怖だけは埋め込まれるからな」


 受付嬢を見ると 首が縦に動くのであった。それも無言で そのまま立ち去ってしまうのである。下半身が震えた状態で それを見て イリスが逃げ出した意味を知る。ガーナァーであった。


 イリスにハメられた。冒険者達が逃げ出した後だと気が付く。もう 遅い


「お前達、暇だろう。私と訓練をしないか。1人1人でも全員でも構わないから 私と対戦してくれよ。暇をもてなしてくれ 頼むよ。

 誰1人として 私の相手をしてくれる連中が この街に存在していなくてな 頼むよ」


 どうして ここの冒険者ギルドに新人冒険者しかいないのかが分かった。理解ができたのだ。


「それだったら イーナスやあの少年にお願いすれば済む事でないのか」


「イーナスは、まだ 優しいけど! カイトだけは無理だ。アイツは人間の壊し方を良く把握している。知らぬ間に何も出来ない内に空を見上げている羽目になってしまう。


 私からの忠告だ。あの2人にだけは逆らうな! 私がどれだけ我儘を言っても許されるほどに あの2人だけは、容赦なく殺してくるぞ。怒らせると


 多分、滅多に怒らないから 問題が無いと思いたい」



 何となくだが分かった気がした。賢者 イーナスがいないと冒険者達だけでなく、街の住人までもが逃げ出してしまうほどの事なのだと その証拠に冒険者ギルドの周りに人が歩いている気配も感じ取れないのであった。日曜日の昼下がりに


 ガーナァーも思っていた。逃げ出したいと そんな中、


「猫耳女、私の前に来て肉を喰ってもいいから 酌を知ろ」


 涙目になりながらも仲間達を見ると目を逸らすのであった。


 酷いのニャ~ 私を助けてほしいニャ~


「ガーナァー、ガロウ、ヒーロー、何か 言ってほしいニャ~」


「ニーナを差し出すから 肉なり焼くなり、好きにしてくれ、俺達は消える」


「ヒーローニャ~ン」


「済まん、ニーナ」


「ガロウニャ~ン」


 ガーナァーを見るも目を背けるのであった。パトリットが恐怖対象だと解ると冒険者ギルドを後ずさるとニーナのみが取り残されてしまうのであった。


「もう 死ぬ前に腹いっぱい肉を食べてやる。ニャ~」


「親父、肉と酒の追加だ。それと新人冒険者諸君にも肉を出してやってくれ


 おい、お前等も依頼を受ける前に飯を食っていけ、私の奢りだ。思う存分に喰えよ」



 酒場の親父が酒と肉を持ってくると金貨1枚を手渡す。







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