相談
「イーナスさま、この杖って進化してませんか。それに伴って そのローブが変わったのですか。そのローブって 何で作られているのですか。教えて貰う事って可能ですか」
「カイト君に言わせると宝珠を全て集めて 杖に嵌め込んでみたいとも言っていたわね。それとローブだったわね。これは在り来たりな魔法糸で作っているわよ。
これ1着を作るだけでも私の魔力量だけでは足らなかったから カイト君にも手伝ってもらって色々な付与がされているみたいなの理解不要よ。私でも」
ガンツ親方の鑑定でも全てを見る事が不可能であった。そもそも魔法陣を見ても何を意図しているのかも理解できないのであった。
「それで何か、分かりました。親方」
「どうして あっしが鑑定した事が分かるのですか」
「鑑定魔法を使うと独特な魔法が流れて来るのよ。これもカイト君の受け売りなのだけど、それで何か わかりましたか」
「付与系は隠蔽で隠してあって見る事が無理でした。魔法陣に関して あっしの知識では、学生以下なので理解不要です。それでも10以上の魔法陣が書かれていると思われます」
「親方さんでも10ぐらいしか見えないのね。人によって見え方も変わる事が分かったは」
「イーナスさまは、いくつ見えるのですか」
「38よ」
その数字を聞いて 意味が分からなくなった。意図も見えない。
「それこそ、無意味なので無いのですか」
「そうなの本質を隠すのに多くの魔法陣を描いているのだと私は思いましたが違ったのですか。見方を変えた方がいいのかしら」
イーナスの言われた事も理解ができるが そもそもが 魔法陣を理解できないとイーナスの答えに近づく事すら出来ない事を理解できた。古代文字と詠唱が刻まれている。魔法陣など複雑すぎて理解ができないのであった。そもそもが
ちょっとまて 先程、イーナスさまの魔力量でも足らないと言っていなかったか。普通の魔法糸と違うのか
「1つ、お聞きしてもいいですか。イーナスさまの魔法糸って 糸に魔法を付与しながら作っているのと違うのですか」
「違うわね。カイト君に言わせると それだと簡単に切れてしまうから魔法で糸を作り出して その糸に魔法を付与しているわ。
だから 裸でローブを着ているとカイト君に怒られてしまうわ。たまに」
簡単に言っているけど 普通の職人でも作る事が不可能な事を簡単に言ってくれる。そもそも魔法で糸を作り出す事、自体が可能なのか。
「また 疑問ができました。お教え願えませんか」
「今日は、多く質問するわね。何かしら」
「こんな性分な物ですいません。イーナスさま
そもそも 魔法で糸を作り出す事など不可能なので無いのですか」
「そう、簡単よ」
イーナスが ガンツ親方の目の前で実際に見せると糸が出来上がっていき、付与された糸まで作り出してしまうと髪の毛ほどの細い糸にも拘らず、剣で切る付けても切れる事も無く、反対に剣の方が刃こぼれをしてしまう有り様だった。
「また 疑問ができました。この50センチの魔法糸を作り出すのに どのくらいの魔力量が必要なのですか」
「そうねぇ~ 親方さんの魔力量の10倍くらいかしら もしくは、もう少し必要かも そんな物よ。魔力量、何て 個人差があるだけだから気にしても仕方が無いわよ。
それに魔力量を増やす事も可能だし、お教えしましょうか」
魔法糸の件は、諦めて 魔力量を増やす事に興味を得た。
「魔力量を増やす事って可能なのですか」
「体内魔力を循環させればいいのよ。自分の体内にある魔力を1つにまとめ上げて 体内移動で身体のあちこちに移動をさせていき、それが出来るようになると体外に出してまた体内に戻すを繰り返し行えば、誰にでも簡単に出来るようになるし、魔力操作まで覚えてしまうわよ。
簡単でしょう」
イーナスが簡単に言っているが そもそもが 体内の何処に魔力が在るかなど考えた事も無かったし、存在自体を考えた事も無かった。魔法使い独自の考えだと勝手に思い込んでいた。
「あっしには、自分の体内にあるといわれている、魔力を感じた事が無いのですが あっしにも魔力が存在しているのですか」
「あら、言ってよぉ~お酒が無くなっているじゃない。親方さん」
ガンツ親方の木のジョッキに龍泉酒が満たされるとイーナスがガンツ親方の頬に突然に触った途端に イーナスの顔が近付き胸元が近付いた途端に目のやり場に困り、全身が赤々となるのであった。その直後、体内に何かがいる感覚に陥る。
「さすが鍜治場の親父さんだね。火魔法に土魔法を取得している訳だ。炎の荒々しい部分と土の荒削りの部分を持ち合わせるなんて男らしいわ。
カイト君がいなかったら 惚れていたのかもしれないわね」
イーナスの冗談をまともに受けながらも 更に全身が赤々となって来ると自分自身の魔力を感じ始めるのであった。
「この分厚い、唇を奪ってみようかしら」
イーナスの冗談を真に受けて 瞼を閉めて唇を近づけると
「本気に取らないでください。隣で奥様が見ておりますよ」
おそる、おそる、隣を見てみると頭から角が生えているように見えたという。鬼の形相で睨みつけている。
途端に恐ろしくなって逃げ出してしまった。
「本当にバカ亭主で悪いわね。イーナスさま」
「これで少しは、体内魔力を感じ取ってもらえると助かるわ」
「カイトに女ができたら大変そうだ。処でイーナスさまは、王子様とお逢いしているのですか」
「この世の男性たちが凡人以下に見えてしまって 不振症になってしまうわ」
「弟が優秀過ぎるのも考え物だね。薬師ができて料理もだろう。鍛冶まで行えるようになってしまったら 女なんか、何でも良くなってしまうねぇ~」
「わたしたち、姉弟って不憫でしょう」
「そう言えば、この前のレットドラゴンは、どうでした。美味しく頂きましたか」
何か、恐ろしい名前を言われて耳を疑うのであった。