1つを選ぶ
「ダメね。フレイアお嬢様は、自分の自我を保てなくて 魔王以上に暴走してしまったわ。魔力量も威圧に殺気までもが以上に膨らんで人としての姿まで変わるのでないかしら
どうしたら いいと思う。カイト君」
「結論から言いますと無理ですね。2つを使用する事は、どちらか1つを選ばせましょう。
街の崩壊を避けるために」
クララ達4人と海人連中も魔王の出現かと思って震えあがっている最中、
「ダメですね。ちょっと行ってきます」
「なるべくなら 殺さないでね。カイト君」
クララは、カイトを見詰める事しか出来ないのであった。声を出したくても出さない状態の最中、ミルクが何を思ったか、突然に上空に上がって飛びだってしまった。
「ミルクも何かを思ったのかしら 自由でいいわよ。あなたは」
イーナスがそんな事を言っている最中に カイトがパトリットの目の前に転移して手刀を額に落としただけで気を失い、その場で全裸に指せられて 元々、着ていた鎧を装着させて元の姿に変わるのであった。周りが思う事も無く、難なく事が済み。無事解決してしまうのであった。
その場で 状態異常回復魔法で意識を取り戻して魔力まで普通に戻してから
「わたしはどうなった。未だに身体のあちこちから 干割れをしているぞ」
その場で回復まで行うと元の姿に戻った。
「パトリットお嬢様には、2つを使用させることは無理と判断しました。武器を取るか、防具を取るか、どちらかを選んでください」
悩む必要も無かったみたいで渙発入れないで
「私の名が刻まれている。“ 聖剣 パトリット ” を私に持たせてくれ」
因みに 聖鎧も名が刻まれており、同じようにパトリットと名が付けられていた。が 封印みたいだ。
パトリットが聖剣を抜くと今迄は、黒い雲が上空にあり渦を巻いていたが 今度は、剣の先から光の柱が上がり 天を翳すみたいに光の剣へと変わるのであった。それと同時に黒かった空が元の青い空へと変貌して 雲1つも無い世界へと変貌するのであった。
パトリットが剣を振るえば、大気中を切り裂き、海までもが切り裂かれてしまうのである。
「これよ。これ、私には 武器が1番よ」
「お隅に成られましたか。お嬢様! 下に降りて皆様方に誤って下さい。御迷惑をお掛けしたので」
カイトが魔王は無理でも魔人程度なら成れるのでないのかと思っているとパトリットに悪寒が走るのであった。
「カイト、今しがた。悪い事を考えていただろう。頼むからそんな事をしないでくれ、私が持たない」
滅多に笑わない。カイトが笑顔で
「そうですか。おもしろいと思ったのですが ダメですか。残念」
パトリットが全身で震えあがってしまうのであった。カイトの笑顔を見た途端に
「お嬢様、皆様方が下でお待ちですよ。行きましょう」
まだ 上空にいたのだ。
あれ、私は 浮遊魔法を使わなくても自然と空を飛べるのか。不審に思い、カイトに尋ねる。
「カイト、私は」
「その様ですね。浮遊魔法を覚えたみたいです。ですが 帰りは、陸地近くまで転移で帰りますよ。後は、お好きな様にしてもらって構いません」
何でもお見通しかよ。私の心まで見抜かれていないか。そんな事を思いながらも海上に降りてくるとみんなから責められながらも笑顔を取り戻すのであった。そして 大きな神獣様が海の底へと潜りだす。また 何もない海へと変わるのであった。
そして 今現在は、海の領域を超えた辺りまで転移してきて 微かに陸地が見える場所まで辿り着いた。
「それでは、お姉さま。帰りましょうか。この距離ならパトリットお嬢様でも何とか、陸地迄は魔力が持つと思います。持たなければ、自力で泳いで来てください。
戦うばかりで無くて魔力循環もいい加減、覚えて貰う為です」
ミルクは、イーナスと共に空を飛べる事が嬉しいのか。それとも母親だとでも思っているのか、イーナスの側を離れずに飛び出してしまうとカイトもそれに続いて クララ達を引っ張って飛び出した。覚えたばかりの浮遊魔法で魔力調整も知らない内に全力疾走で飛び続けるも1キロ手前で魔力切れをしてしまい。死に物狂いで陸地まで泳いで来る頃には、夕日が沈みかかるのであった。
パトリットが見える辺りになるとクララが懸命に姉を応援するのであった。同時にテレスティーナ達もクララに見習って応援をしている最中、カイトとイーナスは読書で時間を潰すのであった。ミルクはと言えば、パトリットの上を飛び交っていた。何がおもしろいのか、笑顔が絶える事も無かった。
「やっと 辿り着いてくれたわ。カイト君」
カイトと呼ばれて パトリットに生活魔法のクリーン魔法をかけて 身体に纏わり付いている塩水を消してやり、体力のみを回復させて
「帰りましょう。女子寮の皆様方がお持ちしております。急いでください。夕飯に間に合わなくなってしまいますよ。
彼女達の夕飯は、既に作って シーナ様にお願いしてきましたがパトリットお嬢様とクララお嬢様達の分が残っているかは、パトリットお嬢様次第ということですね。
頑張って走って行きましょう。転移がお嫌いでしたので」
途端にクララ達は、白い板の上に乗って イーナスも杖に腰かけるとカイトは、浮遊して
「レオニカさま、パトリットお嬢様と共に一緒に走っても構いませんよ」
「遠慮しておく、今日1日でこれにも成れた。頼むから 今日1日の事は、他言無用でお願いできないか。カイト」
「考えておきます。ただし、あなた次第と言う事でいいですか」
「私に何を指せる積りだ」
「それは、あなた様の御両親に任せます。どんなご返事が返って来るか。お楽しみください」
「ちょっと待って カイトさん、それって双子の私にも関係してこない」
「それは、僕の知る処でないのでレオニカさまに言ってください」
パレスがレオニカを睨むと 何も言えなくなり大人しくなるのであった。女子寮に戻った時には、既に料理など残されている訳も無く、綺麗さっぱりと無くなっており、この日はクララも食事無しとなるのであった。が
イーナスの前には、豪華な料理が並べられて カイトと2人しての食事の時間へと突入するのであった。そんな事態になったとしてもパトリットがカイト達に何も言えないのも事実であり、大人しく風呂に浸かり、就寝するのであった。
「可愛そうだったかしら お嬢様たちに」
「問題が無いでしょう。明日の朝1番に並んでいると思いますよ」