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ループ! 神にまで上り詰めた男が 次の世界で何を望む。  作者: 御剣 大河
第1章  影の勇者と糞女神
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 エクストラ・ハイポーション


 1か月後に開かれる。バロンフォード領のオークション会場には、カイトから買い取った品物が並ばれて またしても とんでもない金額で買い取られていった。ただ1人だけが、鼻息を荒くして眺めているのであった。


 もう 歳なのだから程々にしてもらいたいものだ。


 そして 現在、

「やっと 帰ってきたか、ドラ息子が」

「まだ 飲んでいたのか。親父たちは」

「それで 全ての片が付いたのか」

「全てで無いけど 今回は、終わったな」

「なら いい! 王都に戻るのか」

「あと3年だからな 長いよ。何と言っても1日が長すぎる」

「色々と抱え過ぎだ。もっと気楽にしろ 長生きが出来ないぞ」

「母ちゃんの言うとおりだ。俺達夫婦の息子なのだから 気楽でいいのだぞ」

「そう言ってもな 頑張ってみる」

「お嬢たちが来ただろう。どうした?」

「強制転移で帰還させた。森を燃やし過ぎだ。あいつ等は」

「それでも 子供の魔法だろう」

「何だ。城門から外の様子を見ていないのか。来た時と十分に変わっているぞ。

 まぁ~帰りにでも眺めながら 帰ればいいだろう。

 そうだ。親父、これ飲んでみろ、確かめたい」


 エクストラ・ハイポーションを手渡す。何も確認しないまま飲み干すと右腕と左足が光り輝き、治まるのであった。


「成功みたいだな 良かったよ」


 当然、劣化版エリクサーが出来上がった時にフィンさんにも送って在り、本人ごと実家に送り届けた。


 少し前に念話が届き

『カイトさん、お母様の両腕が再生しました。ありがとうございます』と連絡が届いていた。


 フィンさんの母親は、村人を庇って魔獣に両腕を喰いちぎれてしまっていた。昨年の事である。


『アボの時期に成ったら また アボパイを待っていると言ってくれ』


 アボとは、この世界のリンゴの事である。酸味が強いがとても甘い果物だ。


『その時になったら 是非、我が実家に泊まって行ってください。家族一同でおもてなしをします』

『時間が在ったら 是非、お願いするよ。色々な料理も体験したいから

 帰りは、自力で帰ってきて』


 フィンランド・サガが彼の本当の名前である。サガ子爵の息子であり、次期当主でもある。

 小さな村の出であるが民を入れても 100人ほどで広大な土地に農園と果物が盛んである。それを隠れ蓑にして暗殺が彼等の本分であった。国からの依頼で暗殺をするのである。殺されれば、それで終わりの何の保証もされていない最悪な環境で育ったのだ。


 偶然にカイトが発見して 仲間に取り入れてしまった。国も何も言えないままに承諾してしまい。男爵から子爵に昇格するのであった。当然、村にも恩恵が降り注ぎ 税金が免除になるのであった。


 ギルガイア国は、個人からも 貴族からも 税金を受け取り、国として成り立っており、税金を3年間未納であれば奴隷落ちも当たり前である、家族諸共奴隷落ちなんかもあるほどである。そんな時にカイトと知り合って男爵から子爵に上がっただけでも凄い事なのに 更に税金免除にまで持ち込む事が どれだけ大変かは貴族をしていれば良く分かるのである。


 毎日の生活も大変であった。サガ男爵が 子爵に上がった途端に金銭目でも変わるのである。今までは、年間、金貨60枚だったのが 子爵に上がった途端に金貨2500枚にまで成ってしまい。それどころか、暗殺の仕事依頼も無くなるのであった。それにも語尾が付いている。カイトの手助けをするという。ことであった。


「何が良かったのだ。何も変わっていないぞ。昔にケガを負った場所が光っただけだ」

「親父、立ってみろよ」


 意味も解らずに立ってみるも理解不能であった。母親のパルムが


「処で何を飲ませた。お前の事だから失敗って事も無いと思うけど?」

「変わった薬草が手に入ったから “ エクストラ・ハイポーション ” を 作成してみた。

 これで両手両足も元に戻ったな! 酒を飲んで聞かなくて済む」

「はぁ~~っ それだけの為に俺に飲ませたのか、売ればとんでもない位に酒が飲めるだろう」

「そうだぞ。こんなバカ亭主に飲ませるよりも酒を買った方がいいだろう」

「俺もその意見に賛成だ。どうして 飲む前に聞かなかったのだ。

 当たり前のように毒見の感覚で飲んでしまった。俺のバカ」


 そんな最中、滝川龍平が聞いてきた。


「そんなにも珍しい薬なのですか。その “ エクストラ・ハイポーション ” って?」


 となりで グレン・コーディネリアも頷いている。


 パルムが空瓶を持って


「これ1本で金貨100枚以上の価値のある。ポーションだ。

 オークションに出せば、確実に金貨300枚を下らない。そうだったな2人は、転生者だから分からないか。

 そうだな! バカ亭主の後ろに刺さっている大剣と同じくらいか、金額か」

「それじゃ~分からないだろう。宿泊に銀貨5枚が必要になるから 金貨1枚で20日ほど、宿泊が可能だよ。

 金貨100枚あったら 何もしないでも5年くらいは、宿泊できると思ってもらって大丈夫かな! まぁ~朝食と夕飯が付くから問題が無いでしょ」


 滝川龍平が深い溜息を吐くと


「カイトって 年齢が若いよな」

「15歳で学生です」

「やっぱり 学年で頭がいい方なのか」

「平民の俺にそんな価値が存在するわけがないでしょう。

 才能は、貴族のご子息様たちが持っているもので 平民以下の俺達に人権もありません」

「それでは、不公平だろう。この世界は、平等でないのか」

「平等って言葉は、貴族世界にだけで在って 俺たち平民の価値など存在しておりません。生きる価値も存在しないのです。あなた方が来たのは、その様な世界です。

 まぁ~貴族に転生をしなくて良かったのでは、国王の命令で死刑って事もたまにあるくらいです」

「それでは、俺達の人権って 無いものだろう」

「それでも税金が発生しますから 毎年払ってください。3年間溜めてしまうと奴隷落ちです。因みにドラペイさん達は、3年間 税金が免除です。4年目から冒険者ランクによって金額が変わります。

 異世界人だからと言っても奴隷に落ちる方が多いいですよ」

「おい、蛮族。貴様の事だろう。ドラペイって」

「そうだった。ドラペイで登録した。俺って

 あれ? カイトは、その場にいなかったよな どうして 俺の名を?」

「忘れてしまったのですか。俺が鑑定持ちだと」

「俺にも鑑定スキルって 手に入るのか」

「魔法は、誰にでも簡単に手に入りますから安心してください。少々、金額が増しますが 手に入れる事は可能です」

「魔法を取得するのに金がかかるのか」

「司祭様に生活魔法を教われば、簡単な魔法なら使えるようになりますし、それだけで全体の魔法が使えるようになる方も異世界人なら在り得ます。ドラペイさんも魔剣士なので簡単に取得が可能かもしれませんよ。

 本人の才能です」

「カイトの称号は?」

「学生です。王立学生2回生、あとは殺人鬼や家畜以下とか、色々となっております」

「物騒な称号だな 殺人鬼なんて」

「俺が10歳になるまでに100人以上も殺しをしたからですね。この世界では、案外普通ですよ。

 特に魔力持ちに多く見られます」


 滝川龍平ドラペイとグレン・コーディネリアが無言になると






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