全裸
クララが席に着くとカイトが現れて 本日の朝食をお持ちしてきた。それと同時にイーナスのテーブルの上にも朝食が並べられた。
「今日の朝食は、残り物一切合切です。1週間分の残り物ですので残さず食べてください。明日は、お休みを頂いて鍜治場にいる予定です。
何か、御用の際は御出でください」
「私が付いて行っても構いませんか。カイトさん」
「それも問題がありません。今回も本を読んでお待ちするのですか」
「そうです。鉄を叩く音色を聞きながら 本を読む事が私の日課に成りつつありますの いいでしょう」
「かしこまりました。鍜治場の親父さんに言って置きます」
カイトがクララの処から イーナスの処に移動をする際も女性達の目がカイトを捉えて離さないのであった。
「相変らず、凄い人気だな! カイトの奴は」
「カイトさんって 何を目指しているのですか。クララ」
テレスティーナがふと思って聞いてきた。自分の護衛も兼ねて自国を守って貰えないかとも考えていた。
「私に聞かれても分からないわ。私と知り合った頃は、薬草採取の冒険者に成ると言っていたけど 今やっている事と言ったら 寮の執事みたいな事をやっていて 学園内では本を読んでいるだけだし、魔法も剣を扱わないし、ふらりと外に出てしまえば何をしているのかも分からないわ。
多分、姉様やイーナス様辺りにでも聞いたら 教えてくれると思いますが怖くて聞く事もできません。そんな処よ、私が知っている情報など」
「数日前に伯爵様との話の中で 海の生き物を討伐に行くと聞いたのですが同行する事は、可能なのでしょうか」
「私は、元々 付いて行く積りだったから学園で聞いてみるわ。テレスティーナにレオニカ、パレスも同行してもいいかでいいのかしら」
3人を見ると頷くのであった。
「ただし、カイトさんの言いつけを守ってね。守らないと次が無いわよ。私でも守り切れないから 色々な意味で」
獣王国の御姫さん達は知らなかった。カイトがとんでもない程のバケモノだとクララは、今だから見慣れてしまったが 今までに何度もお漏らしをしてカイトのお世話になっていた。その都度、魔法で無かった事になっていた。
「パトリットお嬢様、防具の仕上がりに協力してもらえませんか。それと武器の位置取りもしておきたいのですが 今日、明日中に時間を作って貰えませんか」
「そんな事か、それだったらここでやってくれ、裸に成ればいいのだろう」
この場でパトリットが裸になっていくと筋肉質に見惚れてしまう女性達が驚くのであった。カイトの前でブラもパンツまで脱いで全裸になってしまったのだ。
それには、さすがに驚くのであった。貴族の女性が簡単に男性の前で裸を見せてしまうもので無いからである。
錬成空間の中に取り囲まれて皮鎧を装着していくと胸の部分に大きな宝石を取り付けられており、その周りにも宝石が付いて肩にも足にも処かまわずに宝石で守られて双剣の武器が腰の位置に取り付けられると多くの魔法陣が展開されて身体の一部みたいに変わりだして イーナス以上の魔力を感じ取る。
それを見ていたイーナスが クスクスと笑う最中、双剣を抜き去ろうとした処でカイトに止められるのであった。
「剣をここで抜かないでください。この女子寮が吹き飛んでしまいます」
パトリットの身体が紅潮してジッとしている事ができなくなると全てが解除されて 全裸に戻るのであった。全裸に戻った途端に体内魔力のほとんどを奪われており、立っていられなくなり フラフラ状態まで陥るが イーナスの魔法で魔力供給が行われて 意識を維持できるのであった。
「ハァ! ハァ! ハァ!」
「どうですか。お姉さま」
「悪くないわ。カイト君、センスもいいわね」
「ちょっと待て そこで聞くのは、私の方でないのかお前達姉弟は」
「もう少しの魔力調整と魔力供給が必要みたいですね。後、必要な物でもありますか。お姉さま」
「任せるわ。カイト君にもう少し魔力量を上げさせた方がいいみたい。本人を」
「それも面白いと思います。少しの改造でもしてみますか。お姉さま」
カイトとイーナスの会話を聞いていた。パトリットの方がブルブルと震えだし始めていた。魔力供給と言う体内魔力を暴走させて拡大を図ろうとしている事が見て取れるからであった。目の前に死の淵が見えるほどの衝撃を受けて自分から死にたいとまで思うほどにまで至るからである。
クララが初めて パトリットの恐怖の顔を界間見た事を驚くのであった、これから何が起きるのか 恐ろしくなるのであった。が それが瞬き程度で一瞬の出来事であったが パトリットにとっては、時間が引き延ばされて半日もの長い時間を味わいながら白い泡を吹いて気を失うも一瞬で意識を取り戻して 今迄の5倍の魔力量を手に入れるのであった。
「成功みたいね。カイト君」
「その様です。お姉さま」
何も言い返せないでブルブルと震えているだけであった。精神が安定してくると自分自身の魔力量に驚きを隠せないでいた。
「自我を取り戻して 自分自身の状態状況の確認も終わったみたいです。お姉さま」
「何か、問題点がありますか。フレイアお嬢様」
「それで私に何を求めている」
「意味が理解できませんが」
「僕も同意見です。お好きなように暴れられて問題が無いかと思いますが」
「イーナス、今日は森に行って狩りをする。付いてこい。ただし、転移はなしだからな」
何なのだ、私の魔力量がバケモノみたいになっているぞ。これほどの魔力量を維持できたとしても この姉弟に追いつくどころかの話でないのか。上には上がいると言われているみたいだ。この姉弟の敵が現れるとでも言うのか。
「もう、いい加減。惨めな胸を終われては如何ですか。カイト君も離れてしまいましたよ」
目の前にカイトの姿も無く、全裸で立っていた。イーナスの胸がポヨ~ンと余裕の動きを見せると自分の胸を見て減滅してしまうのであった。筋肉が付いているものの胸の形まで無くなっており、男と間違われても可笑しくない体系であった。下半身が女であるだけでそれ以外が男勝りな女性でもあったのだが その光景も彼女達には十分に抱かれたい女性ナンバー1であった。