贈り物
カイトがいつも通りに花々たちに水やりが終えて 農作物たちにも水やりをし、朝食分のクララの分だけを取り終えると厨房で作業をしていると寮長が姿を現すが 温かいお茶を出すとゆっくりと味を味わいながら胃の中に流し込んでいく。朝のひと時を堪能している。今日も朝から彼女達のバトルが始まろうとしていた。
順番取りで既に並んでおり、カイトの仕事風景を見ながらニヤケテいるのであった。3番までに並ぶとカイトが彼女達の頬に触って
“ お・は・よ・う ” と 囁いてくれることが嬉しいみたいだ、その後、10番目ぐらいまで カイトとの会話も可能みたいで 少しでもカイトとの会話を堪能するのであった。
カイトの香りが普通の男性と違って 花々たちの香りを纏っており、筋肉質にも関わらず 見た目に見えないのであった。この女子寮にお風呂場が1つしかないのでカイトの裸を何人の女性達が目撃している。中には普通に入ってくる者まで現れるようにまでなってしまった。
その様な祭は、錬成空間の中に入れて隅々まで洗ってやり、肌水まで使い綺麗に生まれ変わるのであった。1日だけしか持たないが それでも彼女達にとっては、裸を見られると言うより、カイトと同じ時間を共有できることが嬉しいみたいで忍び込んで風呂に浸かるのであった。
そんな事もありながら カイトに触れられる行為は滅多にない。クララですらカイトに触れる事を許されていない事を皆も知っていた。イーナスに止められているからである。
彼女達の憧れの賢者 イーナスは、別物であった。学園でも常にトップで魔力量も国1番ともなれば、憧れの対象になってしまう。その彼女からの絶対命令は、彼女達からすれば 神からの啓示でもあった。それでも お風呂の事件もその他に至るまでもカイトに触れなければ、いいとの判断で許されるのであった。
その為にカイトに触れられて貰える事が嬉しいのか、会話ができる事が嬉しいのか、それだけを目的に順番取りをするのであった。
そんな朝の出来事であった。カイトが1人の女性の処に行って会話をしていた。それも彼女の肩を触って その様な行為を見てしまった彼女達からの殺気を受けても彼女事態が平然としていた。彼女は、猿人族の大猿部族で女性でもあったのに筋肉モリモリで誰1人として彼女とまともに会話も出来ないのであった。
未来の兵士確実とまで言われていた彼女だったが カイトを見て一目惚れになってカイトの手伝いを良くするのであった。学園の成績もよく、魔法の扱いは今一でも武力に長けていた。そんな彼女にカイトが話しかける事など滅多になかったからである。
「いつも僕の手伝いをしてくれて助かるよ。君に似合うと思ってネックレスを作ったんだ。受け取ってくれるかい」
彼女に手渡すと他の生徒の前にもネックレスが転移で現れて目の前に浮いているのであった。
「パトリットお嬢様からの贈り物です。昨日の約束のお土産を僕が加工しました。お受け取りしてください。
魔物除けの魔法陣を描いてあります。紐の部分に赤きドラゴンの革を使用してありますので切れなくなっております。十分に綺麗なあなた方をお守りする事でしょう」
手渡そうと素振りをしたが そのまま彼女の首にネックレスを付けてやると大量の鼻血を出して気を失うもカイトの状態異常回復魔法で意識を取り戻して 首にぶら下がっている。ネックレスとカイトを見詰めて何かを言おうとしているものの何も言い出せない内にカイトが離れている事も気が付かなく、振り向いた時には既に遅く 厨房の中に消えていた。
「イーナス、いいのか。カイトが他の女に触れているぞ」
「彼女に何かを感じ取ったのでしょう。フレイアお嬢様よりも彼女を取ったらあなた様が捨てられてしまいますよ。それも面白そうです」
「あのジーナスの攻撃力なら私でも防ぎきれないな 剣を交えても流しての防戦一転張りだし、私との相性も最悪だ」
「そこまで分かっているのであれば、彼女をフレイヤ伯爵領に招き入れて男爵の位まで与えて兵士に取り入れてしまえばよろしいのでなくて
先々の事まで考えて置く事も必要不可欠化と思われますが フレイアお嬢様」
「お前達、姉弟に敵うと私までもが子供扱いだな! わかった。親父に言って置く、彼女を我が領土に招き入れる事を」
「それがいいでしょう。カイト君も喜ぶと思うわ」
イーナスの奴は、段々と賢者らしく見えてきやがった。先を見通す眼を養っているのか。
イーナスの肩に止まっていた。ミルクも食堂に入ると一目散にカイトの肩に止まり、泣き喚いた。食事をしたいと訴えるのであった。今日もモリモリに平らげるとお腹も膨らむ。イーナスの下に戻って肩の上で寝始めるのであった。
「コイツもげんきんな物だな 腹が膨れれば帰って来るなんて」
そこにクララとブルガリア獣王国の王女と友達が姿を現した。
「パトリットお姉さま、イーナス様、おはようございます。
先程、私の前にこれが浮いておりましたが もしかして昨日のお土産ですか」
「そう~らしいな! カイトが加工してくれたみたいだ。何でも魔物除けの魔法陣を描いてあると言っていたぞ。先程」
テレスティーナ達は、男性からの贈り物が始めてだったみたいで頬を赤く染めているが
「おい! 勝手にカイトからの贈り物だなんて考えるなよ。イーナスの魔法の餌食になるぞ」
その一言で この場にいる女性達もイーナスの顔が引き攣っている事に気が付き、終身するのであった。
「あなた様も気負付けた方がよろしいかと思いますよ。カイト君がとんでもない物を作っております。
精霊たちが飛び交うほどにはしゃいでおります。ゆえ」
「朝から勘弁してくれよ。イーナスの言葉が現実になる事は昔から知っているが冗談だよな! お前達、姉弟に私が耐えられるとでも思っているのか。時期に爆発するぞ、私でも」
「問題がありません。爆発しても私が元の姿に戻しますので何度でも爆発しても構いません」
本当に勘弁してくれ、お前達と関わってから私の人生が好転しすぎだ。