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ループ! 神にまで上り詰めた男が 次の世界で何を望む。  作者: 御剣 大河
第1章  影の勇者と糞女神
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 カニクリームコロッケ


 カイト達が女子寮に帰って来ると 彼女達もイーナスとパトリットの噂を耳にしており、憧れの2人が魔王を討伐したり、白いドラゴンを肩に乗せて現れただけで多くの歓喜が木霊した。女性達に囲まれている間にカイトは、1人で逃げ出すのであった。


 イーナスは理解しているが パトリットは、納得が行かない。全てカイトが仕組んだ事だった為に


「イーナス、カイトが見当たらない。逃げただろう」


「いつもの事よ。その証拠にミルクも逃げ出したわ。彼女達の声にでも反応したのでしょう」


 いつの間にか、ミルクもカイトの肩に乗って逃げ出していた。カイトとミルクの後姿を見えたのが寮に入る寸前であった。


 カイトが寮に入ると風呂場に行き、浴槽に生活魔法のクリーン魔法で湯舟を綺麗して風呂場全体も綺麗にしてから魔法陣を展開させて浴槽の温度を一定にした。保つように魔法陣を書き換えると女子寮全体に家魔法で生活魔法のクリーン魔法を応用で全体にかけてやると女子寮全体が綺麗になる。


 それは、部屋1つ1つに対しても同じ状態であった。とんでもない程の魔力を使うが 神にも近いカイトにとっては、毎日の日課にまでなっていた為に何の苦にもなる事も無かった。


 その後は、料理を始めるのだが ここでも錬成空間を併用しての料理だった為に厨房全体に多くの錬成空間が浮いている状態であり、ミルクを飽き指す事も無く眺めていた。時折、カイトが口元に餌を持っていくと嬉しそうに食べ始めるが食べ終わるとまたしても錬成空間を眺め出して何がおもしろいのか、時折 ケラケラと笑うのであった。


 イーナスとパトリットが食堂に入って来るとカイトに風呂に入るように勧められた。女性達を引き連れて入るのだが彼女達は、着替えの下着も持って来ないで入るものだから最初こそ、タオルで隠してカイトの前を素通りしていたが最近では見慣れてしまった性か、全裸で通り過ぎる女性を良く目にするようになってしまった。


 その様な光景を初めて見た。テレスティーナ達は、目を見開いて驚くのであった。


「ク・クララ、今 裸の女性が通り過ぎて行ったぞ。こんな事がいつもある事なのか」


「この女子寮が開放的と言っても まさか、裸でうろつくとは、思いませんでした。カイトさんがいる前で」


「そう、私も何度かしたことが在るわよ。下着を忘れて部屋まで走っていったわよ」


 衝撃的な事を聞いて驚くしか、出来ないのであった。


「学園内でも噂の2人がお風呂にいるのだと思うし」


 学園内でも既にパトリットが魔王を討伐した事が噂になっているし、イーナスが白いドラゴンを従えたとも噂に上がっていた。その噂が王城にも響き渡り、王族や貴族連中までもが明日にも会見を開くように国王陛下に次期談判するのであった。


 そんな流れになっているとは、思ってもいない2人は のんびりと風呂に浸かり、着替え終わると指定されている席に座っただけで酒と肴がテーブルの上に転移で目の前に現れるのであった。


「ホッテタ身体にキンキンに冷えた。エールを出されてしまっては、飲むのが当たり前だ。カイトとイーナスがいれば、どれだけ楽かが分かるってモノだな


 街での食事をする必要もない。カイトがいれば」


 グビグビと飲み干すと新たなる。エールが異空間を通して注ぎ入れられただけで 飲んだ記憶すら忘れてしまうのであった。


 イーナスが骨付き肉に被り付くと厨房からミルクが飛び立って イーナスの肩に飛び乗るとそのまま手に持っている。肉を横取りするのであった。その様な光景もまた 酒が進むのであった。パトリットが骨だけになった。骨をミルクに渡すと喜んで食べ始めるのである。


「ドラゴン種は、雑種と聞いていたのだが本当に何でも食べるのだな」


「ドラゴンだけで無いわ。カイト君に聞いた事だけど 魔物に魔獣だって 目の前に食べれる素材があれば、何でも食べるみたいよ。


 私達、人族は料理という。文明が出来上がったから美味しく頂く事ができるのであって 昔は、焼いただけの肉を食べていたと聞いた事があるわ」


「イーナス、その話はいい。長くなりそうだ。私は興味もない」


「さよう で!」


 食堂内に今晩の料理の香りが充満してくると自然と列が出来上がるのであった。当然、イーナスやパトリットの周りにいる彼女達もカイトの料理に興味を持つのである。嗅いだ事も無い、甘い香りが食堂内に充満しはじめていた。


 その匂いに誘われて列に並ぶも既に最後尾には、整理券を配られており 席に着くのであった。順番が来ない限り呼ばれない限り列に並ぶ事も出来ないのであった。そんな最中もクララが席に着くとカイトが今晩の夕飯を持ってきて クララの前に並べて行くのである。


「今夜のメインは、カニクリームコロッケを作りました。ご堪能下さい」


 カニクリームコロッケにカニ味噌のソースが掛けられており、2種類の味を堪能できるようになっていた。テレスティーナ達が目の前でクララが食べる仕草を見ているだけで 口から涎が零れ落ちるほどに溢れ出て来るのであった。


 最初こそ、茶色い物体が美味しいのかと思っていたのだが その茶色い物体の中からミルクの匂いがしてきただけでも 甘い香りがしてきて更に滅多に手に入る事も無かった。陸ガニの香りが漂っただけでお腹が鳴っている事まで忘れるのであった。


 早く、自分の順番が回って来る事を願いながらも初めて口にした者たちからは絶賛の嵐に変わるのであった。その声を聞いているだけでも周りからもお腹が鳴く声が聞こえてくるほどであった。


「カイトさん、このスープもいつもの味と違いますよね」


「今回は、龍泉酒が手に入りましたので 少々、入れてみました。これも正解かと思いまして今後とも使用する事を許可してもらえますか。クララお嬢様」


「好きにしてください」


「かしこまりました」


 カイトが席を離れるとイーナスの方に向かう。ここでもカニクリームコロッケをテーブルの上に置き、使い終わった食器をアイテムボックスにしまい。綺麗にしてしまうのであった。


 カイトがイーナスの処に行った頃には、フレイヤ伯爵様御家族が勢揃いしており、龍泉酒を振舞いながらカニクリームコロッケにカニ味噌でカニの身を堪能しているのであった。酒が無くなる事を忘れてカメの中から四尺で自分で掬い上げてグラスに注ぎ入れるのであった。


 少しでも無くなれば、自然と増えて来るので何倍飲んだなど忘れてしまうのであった。






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