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ループ! 神にまで上り詰めた男が 次の世界で何を望む。  作者: 御剣 大河
第1章  影の勇者と糞女神
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 意識を失う


 女子寮の食堂のみが改装されてしまっていた。ここだけが男子寮と違う事でもあった。女子生徒が一同に座れる状態になっており、今回のみ 席の前に魔法陣が書かれている。クロスが置かれていた。それを見ただけで理解ができる。食べ放題だと それに伴い、それ以外の物を自分で取りに行くのだが 最低限度のナイフとフォークを準備するが後は、何も持って来ない生徒が多く見られる。


 食べる気満々で食堂内にお腹が鳴り響いている最中に 2人の男性が入って来ると一斉に立ち上がり、お辞儀をするがそれだけで終わるのである。それ以上の介入をしないのであった。相手が国王陛下や宰相様であっても知り合いの男性として それ以上に会話も控えるのであった。


 その後にフレイア伯爵が登場する頃には、緊張の糸も切れており 和やかな雰囲気の中を歩いて指定されている席に着席をするのであった。女子生徒に囲まれながら お風呂から出て来る2人も普段着の姿のまま 指定された席に着席する。イーナスとパトリットが酒を持ち込むと言う事を理解すると更に腹の虫が止む事も無くなった。次第に大きな音となって部屋中に拡がりを見せ始めると


「イーナスよ。妻を呼ぶ事は、可能か」


「この様な姿で奥様の前に出る事をお許ししてもらえますか」


「勿論だともお願いする」


 イーナスがその場から消えると数分で戻って来て 普段着に着替えて国王陛下の前に座りだした。


「ありがとう。イーナス! お母様を連れて来てくれて」


「フレイア、貴様は理不尽で無いのか。ワシも妻を呼びたかったぞ」


「賢者様、今回は噂の霜降り牛ですか」


 宰相の言葉を聞きつけた。生徒達の口から涎が溢れ出てくるとクララ達が食堂内に現れた時点で 肉が焼きあがる音が聞こえてくるのであった。


「それだけでないわよ。私達も食べた事も無いほどの肉が出て来るわ。グリーンドラゴンが子供に見えてしまうほどに思うわよ」


 小声で “ レットドラゴン ” と 伝えるとそれだけでも十分に生徒達にまで伝わるが 彼女達が口にするのは、明日以降となっていた。それでも 自分達にも権利があると思うと涎が止まる事も無かったという。


 宰相も驚きを隠せないでいた。食通の彼もグリーンドラゴンは何度も食べていたが レットドラゴンまでは、食べた事も無かった。


「テレスティーナ、今回は 今迄と試行が違うわ。指1本が出された肉の熱さで最大が5倍まで 当然、出された肉を食べきれなければ罰が発生する。大体がトイレ掃除よ。それも1週間の間違えて食べきれない分を注文しないで 約束を破ると次回の肉に在り付けなくなるから

 くれぐれも注意して」


「クララ、今回は 霜降り牛だって気合が入るわね」


 隣りの席の子が今回の目玉を教えてくれると3人が驚くのであった。クララは、パトリットお姉さまが酒を持ち込んでいる時点で特別な肉が手に入ったと思っていた。


「クララ、あそこに男性がいるのだけど 誰だかわかる」


「国王陛下と宰相様よ。お忍びでカイトさんの料理を食べに来たのよ。正面に座っているのが私のお父様とお母様なの 今度 紹介するわ」


「挨拶に行った方がいいのかしら」


「立って 一礼だけでいいわ。お忍びだから」


 クララに言われて 起立して一礼のみをすると手が上がるだけで済んだ。それで終わりを告げる。それと同時に鐘の音が鳴り響く。鐘の音が鳴りやむと魔法陣が光り輝いた途端に目の前に焼きあがった肉が出された。


 待ち切れない。レオニカが食べ始めようとした時にクララに止められる。


「今回は、食べ放題だし、フォークやナイフは自分で取りにいかないといけないのよ。それ以外の食材も同様に 大体の女性がフォークとナイフしか持って来ないわ。

 それと国王陛下から 挨拶があれば、金一封が貰える事もあるから我慢してね」


 それでも片手しか上がらずに食事が再開するのだが 今回も試行が違って皆が食事を始めると皿の隣に金貨が3枚積み上がっていたとしても誰1人として気が付く物が無く、一心不乱で肉を食べきった者たちが皿の隣を見るや否や国王陛下に向かって起立してお辞儀をする光景が目に入る。


 クララも優雅に食べているのだが 口の動きだけは別物で学園内では普通に食べているのだが 女子寮に来れば、本性丸出しで物凄い勢いで口が動き、肉を平らげてしまう。あろう事か、学園で見せた事も無いほどに食が太くて何でも口の中に入れてしまうのであった。


「クララって 女子寮では、別人ね」


「テレスティーナ、目の前の皿に乗っている肉って王都で幾らで売られているか。考えた事ある」


「私達の国でも金貨30枚ぐらいかしら」


「私達の国でも同じくらいよ。もう少し安いかしら それでも その5倍の肉の厚さの肉を食べた事ってある」


「無いと思うわ。だって 滅多に食べれる代物で無いのでしょう」


 クララの目の前に5倍の厚さの霜降り牛が焼きあがった状態で出されると肉汁が落ちるたびにお腹が減り始めた。


「それでも食べ放題と言っても限度があるのよ。今回のカイトさんが狩ってきた分だけしか、食べる事ができないわ。多く狩ってくれば、明日以降も食べる事が可能だけど


 滅多にないわね。それとカイトさんのお嫁さんになるって事は、毎日が高級食材で作られた食事が待っているわ。私の実体験よ」


 30分ほど時間が流れると次第に女性達のスピードが落ちて来るものの 皿の上に乗っている肉を平らげてから意識を失うのであった。次も食べたい一心で中には、皿についたソースまで舐めまわして意識がなくなる人まで現れる。







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