エアーボム
翌日になり、カイトも制服に着替えて姉やお嬢様方に食事の用意をしているとクララお嬢様の頬が少しふく代かになっていた。誰も知らない事なので そのままにして置いた。
家の戸締りも終える。振り返った途端に イーナスお姉さまとクララお嬢様が腕にしがみ付いてきた。
「どうか、されました。お二人さん」
「クララお嬢様、カイト君は 私だけの物です。勝手に触ると怒るわよ」
「カイトさんは、これからの4年半もの間、私の面倒を見てくれるのだから 私が別の女性が近付かないようにします。ので 安心してください」
「そこは問題が無いわ。カイト君の好みは」
カイト君の好みと聞いた途端に クララの目が光った。
“ どの様な方が カイトさんの好みの方なの ”
「そこは問題が無いわ。カイト君の好みは、強い人を好むのよ。弱者は自然と切り捨てるわ。その証拠にクララお嬢様に見向きもしないのが その証拠よ」
「何だ。私でもいのか。クララよりも強いぞ」
「お嬢様方にも興味がありません。剣を振り回すだけのお嬢さまにも」
「私が強く成ったら 振り向いてくれるの」
と 言ったものの3日で夢が冷めてしまった。無理だと判断したのであった。
「可能性は、低いと思います」
限りなくゼロに近いと思う。今迄、身体を動かす事をした覚えのない方に
それでもカイトの腕を離す事も無く、しがみ付くのであった。そのままの姿で登校すると多くの生徒がカイト自身を知らない為に転校生なのだろうと思うのであった。
それでも羨ましい顔でカイトを見詰めるのであった。国が認めた。賢者様と腕を組んでの登校など 認められないのであった。
カイト1人が学園長室の扉を叩くと老人と数名の教師が出迎えた。
「初めまして 今回は、僕の入学を認めていただきありがとうございました。カイト・ゴアボイアと申します」
「ここに集めました先生方が 王族関連の先生方です。・・・」
王族関連と聞いた途端に壁に飛ばされて 全身をエアーボムの餌食で打ちのめされてしまった。冷たい目で学園長を見る。
「こんな僕をよく、入学させましたね。感心します。入学ができなければ、村で大人しく暮らせていたものを」
「ちょっと待て 君は、本気で王族関係者を潰す積りで入学したのか」
「それが 何か、問題でも」
「今現在も国内でどの様な事態に陥っているのか、知っていると思うが」
「僕には、関係が無い事です。フレイア伯爵様の命令で動いているので生徒を殺さない条件で 当然、次からは この場にいる。先生方の首が飛びます。廊下であろうと街中であっても関係が無く、子供以外の人を皆殺しにします。
既にマーキングも済ませました。3日以内に国から出て行かないと死体となって野晒しになります」
「そんな事が許されるとでも思っているのか」
「それが この国が行ってきた事です。何を今更」
ドサリと椅子にもたれかかる。
「王子や王女にも同じ事をする積りなのじゃな 君は」
「この学園で生徒をしている間は、殺しませんが卒業したらわかりません。僕の判断外なもので」
意識を保ちながら話を聞いていた。先生方も震えが止まらないのであった。3日後には、死が待っている事だと思って
「今まで甘い汁を吸ってきた報いです。王族が傾けば、しわ寄せが来るのも当たり前の事です」
無言な空気が流れる。
「僕のクラスは、クララお嬢様と同じでいいのですね。違うようでしたら生徒を1人殺して 移動しますが」
冷たい魔力が部屋に充満する。それだけでも十分に理解が出来た。
「ギ・ギルバート先生、彼をあなたのクラスに連れて行ってください。お願いできますか」
冷たい目で見詰める。担任の先生を
「教師なのですから教壇で死ぬのもいいのでないのですか。家族がいるのであれば、最後のお別れをしておいてください」
「カイト君、生徒の見ている前で彼を殺す事だけは、辞めて貰えないか。生徒達に人の死を見せたくない」
「意味が理解できませんが 貴族なら誰しもが奴隷を殺して遊んでいるのでないですか。その証拠に彼等の屋敷の地下には、奴隷の死体が多く埋まっていると聞きましたが
今更、人が1人死んだ処で生徒は、何も言いませんよ。自分達に被害が及ばない限り」
「それでも ここは、学園だ。生徒を守って勉強をする処なんだ。それだけでも理解してもらえないか」
「それに関して クララお嬢様のクラス以外では、王族関係者以外に被害が及びません。既に鑑定で学園内の生徒にマーキングを済ませてあります。
目に入った者のみを痛めつけます。死なない程度に」
それでも生徒の3分の1か、問題が無いな! その内の何名が学園に残れるのだろう。財産が無くなった時点で
学園長室を出て 廊下をギルバートの後ろを歩いている最中も目の前や後ろから大きな悲鳴が聞こえてくるのであった。突然、顔の前で爆発が起こり、鼻血を流して気を失う生徒が続疾しはじめると その度に振り向きカイトを見詰めるも何も言えないのであった。
生徒からすると何が起きたのかも分からない事であった。友達が突然になって鼻から血を流して倒れ込むのであった。意識も保てないほどの衝撃を受けて 中には、顔が変形している生徒まで現れる始末であった。
「1つ、聞いても構いませんか」
その途端に両サイドの壁に何度も激突させられた挙句に
「息が臭い。振り向くな、次は、容赦なく首を引き飛ばすぞ」
ボロ雑巾の如く、捨てるのであった。その後、全身で震えながらクラスに向かう最中も何度も倒れそうになるが 持ち堪えながらクラスに到着ができた。