怒らす
「済まん、済まん。待たせてしまったな! ソロソロ、始めようか。
俺が君の教官を務める。ラグナだ。一様、冒険者をしている。俺は、剣を使用するが君も武器を持っているのか」
「一般的には、剣ですか。剣で構いません。武器を使う事も無いでしょう」
「面白い事を言う少年だ。君が俺に勝てるとでも思っているのか。大人をカラカウものでない」
「それでは、ここにある。木剣で御相手してもらえますか。僕を痛めつけるには十分かと思います」
額に血管が浮かび上がってくる
「時期Sランクと言われている。俺を舐めていないか。少年」
「それは、失礼いたしました。あまりにも弱そうに見えましたので見くびってしまいました」
「ラグナさんも強いと言ってもフレイアお嬢様よりも弱いからって 本人を目の前にして言っていい事と悪い事があるのよ。少しは、言葉遣いも気を付けなさい。カイト君」
「舐めて貰っては困るな! 少女よ」
威圧を飛ばすも イーナスの目を見ただけで震えあがってしまった。何度も戦場で見かけた事がある。女性が目の前にいたからである。
「賢者 イーナスさまが どうしてここにいるのですか」
「私も何度か、見かけた事がありますが 毎度の事だけど逃げてばかりのラグナさんでしたか。私の弟に勝てるとでも思っていないわよね。もし 勝てたなら頬にキスして差し上げますわ。当然、負ければ冒険者剥奪にして差し上げます。
十分な条件だと思いますが 如何ですか」
「それならば、僕からも補足しておきます。1撃でいいです。それで負けを認めます」
その時点で額の血管から血が溢れ出て来るのであった。
「ラグナ、相手が子供よ」
聞いていないわ。完全に頭に血が上っている。
そんなシーナの肩にパトリットが手を添えて
「カイトなら大丈夫、1人でグリーンドラゴンを倒してしまう奴だから 相手の彼の方が面喰うわ」
事実だろうが信じられなかった。が 試合が開始した直後、ラグナが吹き飛ばされて ラグナが立っていた場所にカイトが浮いているのであった。両足にブーストを掛けての膝蹴りが綺麗に決まり、ラグナの顎が砕け散ってしまった。
カイトの回復魔法で回復を行うと意識を取り戻してカイトの側までやってきた。
「たかが膝蹴り1発で意識を飛ばさないでよ。試験にならないでしょう」
「君は何者だ。何をした」
「まだ 頭の回転が悪いみたいだね。今度は、木剣を使用するから受けられる物だけでも受けてみてよ」
念の為、結界も張っておくか。
仕切り直しと言わんばかりに カイトが消えたと同時に結界を叩く音だけが鳴り響いて来て 数分でカイトの持っている木剣が砕け散ってしまうのであった。その間、何が起きているのかも見えないのであった。何かの壁が出来上がっており、彼を壁が防いでいた。
砕け取った木剣を見た途端に どの様な惨劇だったのかを理解できた。
崩れるように地面に膝間付き、震えあがってしまった。
見た目で判断をした彼が悪い。鑑定を持っていたとしても見る事も出来なかったが判断基準を持つ事ができたのかもしれない。
「どうします。まだ 続けますか。新しい武器を持ってきますか」
「否、俺の完敗でいい。冒険者も引退する。それで勘弁してくれ」
「冗談に決まっているじゃないですか。イーナスお姉さまの悪戯心です。気にしなくていいですよ」
加護持ちと無しの違いだな それ以外にもあるが頑張った方だろう。人の身体で
「カイトよ。私とも対戦してみないか」
腰に持っている。剣を抜き去る。
「僕は、本来なら飛び道具を使用します。1本でも地面に付かせたら対戦相手に認めるでもいいですか。パトリットお嬢様」
「それでも構わないぞ。強い相手を求めているからな カイトの武器を出せ」
「本来の武器を出したら その場で即死です。薪で十分でしょう。10本ほどにしておきますか」
カイトのアイテムバックから 薪が10本出て来るとカイトの周りを回り始めた。
「1つ、聞いていいか。カイト」
「何でしょう」
「本来は、何本使う」
「30本です。それと弓ですか。場合によっては、剣も使用します。
当然、武器も僕自身も隠蔽で隠れて戦闘をします。姿を見る事も無くです」
本当にバケモノだな! イーナスの方がもっと分かりやすいと行った処だ。頭の回転が鋭いから成せる業なのか。
その後、数分で血反吐を吐いて倒れ込んでしまった。薪の1本や2本までは回避ができたが目に見えない部分からの攻撃を受けたり、フェイントも踏まえての攻撃に攪乱して他の薪を見落とす事となり、全打撃を受けてしまった。
「カイト、もう1度だ。私を回復させろ」
血反吐を吐きながらも大声で命令してきた処で 全身が光り輝き、回復を行う。
「もう1度だ。いつでも 来い」
その後、昼頃まで行われ 何度目かの訓練を終えた辺りで精神が耐えられなくなり、意識が朦朧とするものの状態異常回復魔法で正気を取り戻して終わりになった。