試験
「どうします。この場には、未だに健在な彼等も同じ状態にしますか。人間の生き血でも魔物や魔獣の生き血でも与えて置けば何でも熟してくれますよ」
彼等の足元に魔法陣が拡がると止められてしまった。
「ちょ・ちょっと待て 何をしようとしているのか。理解しているのか」
「この先、彼等に待っている物など 死刑以外に何か、ありますか。それだったら自由を手に入れて 国を滅ぼして作り返した方が簡単に済みます。
そのまま滅んでもらっても 僕は何も困りません」
「カイト、貴様は何かを欠落しているぞ」
「それは、感情です。人を思いやるとか、人を大切にしろと言う物が無くなりました」
カイトの右腕に納まっている。ブレスレットを見せる。
「多分、これの性でしょう。その証拠に」
カイトが自分自身の腕に傷を付けても勝手に回復しまうのであった。
「このブレスレットのお陰か知りませんが 全魔法も取得して全ての魔法まで使えるようになりました。このまま放置した方が国の為になるかもしれません。伯爵さま」
「カイト君が出て行くなら 私も国を出て別の国でやり直すわ」
「イーナスお姉さまが出て行く事もありませんよ。国を滅ぼして作り変えればいいだけです。生き物すべてが安全を願うのです。から それさえ守れば、人口増加など簡単に出来ます。
国王も貴族も全て排してしまって イーナスお姉さまが自由に国を動かせば済む事です。必要の無いものを処分なら任せてください。処分します」
カイトの魔力が膨大に拡がりを見せだすと森に潜んでいた。魔物や魔獣達が一斉に逃げ出してしまった。
「この大陸の国々を全て滅ぼして差し上げましょうか。3日で終わらせます」
感情が無くてもイーナスの存在は理解していた。それと同時に自分自身が操られている事にも理解すると薬師の神の首が飛び、全てが元に戻るのであった。時間が止まり、カイト自身が神界に舞い降りるのであった。
当然、首を切り落とした程度で神が死ぬ訳も無く 再生をして生き返るもカイトの姿を見た途端に震えあがるのであった。
「人間に使った秘術を貴様に使ったら どんな仕打ちが出来るのやら」
大きな悲鳴が木霊する最中、神界にアンデットが出現するのであった。が 死を恐れない神に死よりも恐ろしい恐怖を植え付けてしまうのであった。
地上に戻る。この場にいる連中の時間を戻して カイトの示唆を消した。
「どうします。伯爵さま」
「国王の前に連れて行って真相を話させれば、全てが分かるな! 誰の仕業かを」
「その際に僕を連れて行く際は、クララお嬢様も同行させてください。護衛対象者なので」
深い意味を知るのであった。その言葉が これから どんな結末を生むのかが楽しくなる。
「ちょっと待ってよ。カイトさん! どうして 私を巻き込むのよ。国王様に御会いする事だって 今迄に1度も無かった私が どうして」
「それだったら 僕を解任してください。学園に入学する事も無く、村の中で大人しく生活を送れます」
「わかった。クララの同行を認める。それでいいか」
「ちょっと お父様も何とかしてよ」
「諦めろ、クララ! この先も もしかしたら呼び出す際には、お前も同行するように いいな!
この際だ、今の内に言って置いてやる。国王のバカ息子の件は好きに暴れて構わん。王族が敵になるのであれば、全面戦争も在り得ると考えて置け、あの国王だ。俺に弓を引く事も無いと思うが もしもの為だ」
「問題ありません。人間が相手です。今回の事も含めて いい練習を指せて頂きました。全校生徒を敵に回してもクララお嬢様を守れると思います」
「この際だ、クララと婚約する気はないか」
「全面的に拒否します。僕の好みで在りません」
秘かにカイトに恋心が芽吹き始めていた。クララであったがカイトの一言で撃沈してしまうのであった。
「当然よ。カイト君の好みは、私なのだから それにカイト君は誰にも渡さないわ。私だけの物よ」
「また 始まった。イーナスの弟想いが」
「カイトさん、どうして 私ではダメなのですか」
「クララにも恋心が芽生えたのか」
「簡単な事です。貴族の道具になるくらいなら死んだ方がいいです。少し、人よりも優れているっていう意味で使われて捨てられるのがオチだと思います。
それに 今のクララお嬢様に薬草採取の冒険者が務まるとも思えません」
「私に薬草の知識があればいいのですか」
「それだけでありません。知識と武力です。両方を持っていないと自分自身も守る事ができないかと思われます。
薬草と言っても 草原だけで取れるものなど ほんの1部に過ぎないのです。奥深くの森の中や山岳地帯の崖などに貴重な薬草が生えております。それらが取れて更に薬として使えるかを検証してから 薬草を採取したと言えるでしょう。それに人の死とも直面するかもしれません。
その時に決断力が問われます。自分がどうしたいかを」
「それだったら 私に薬草の知識や戦闘方法を教えて」
2度と同じ過ちを犯したくない。
「自分で覚えてください。これ以上の話は無用です。話をする相手を選んでください」
カイトとクララが この旅路で話をする事が1度も訪れる事が無かった。魔物の襲撃を熟しながらも無事に王都に到着するのであった。
王都に付いた。翌日には、試験を受けるも学科も実技も魔法ですら ・・・
「1つ、お伺いをしても構いませんか」
「何だ、答えなら教えないぞ」
数分で全ての答えを書き終えると目の前の男性に提出するのであった。
「もっと 難しい問題が出るのかと思っておりましたが残念です。誤りも目にしましたが これがこの学園の教えだと判断しました。
次は、魔法ですか。実技ですか」
カイトの解答用紙を見ると完璧に出来上がっており、指摘箇所にレ点を示してあった。
「魔法だ。訓練場に行け」
カイトが訓練場に来てみれば、後から女性が小走りで向かってくるのである。
「君がカイト君か、的に君の魔法を当てて見せてみろ、それに対して魔法を見る」
的が3本、立っており簡単に壊れてしまいそうだった為に 補助魔法の魔法陣を展開させて結界を施してから
「ちょっと待て 君は、魔法陣も使えるのか」
女性の言葉を無視して ファイアーウォールの火の柱がそびえ立っただけでも驚く最中、次に氷塊でファイアウォールが氷の柱に変わってしまい。最後に雷神で雷属性の最高峰が天から降り注ぎ、光の柱が出来上がるも何の被害も訪れなかった。
学園の生徒だけでなく、王都からも火の柱に氷の柱、光の柱が見えており、何事かと多くの騎士が警戒態勢で現れるのであった。