ドラゴン肉
カイトの攻撃も 受けも貴族連中には認識が出来ないのであった。常人な彼等には、皆無であった。
「5日後に顔をだすで構いませんか。明日から4日間は、イーナスお姉さまの御相手をしないといけません」
「その間にクララを連れて行くが構わないか。紹介をしたいと思っている」
「多分、家にいると思いますが もしかしたら街中に出ているかもしれません。森に連れ出されていたら帰りが遅くなります。それでいいのなら」
「カイト君、早く家に帰りましょう。解体をしないと夕飯までに間に合わないわ」
「お父様、手伝ってください。さすがに2人では、解体が大変です」
苦笑いをしながらもカイトからの言葉に従う。
「領主様、我々はこの辺りで帰ります」
「因みに聞いていいか。カイトが狩り取った鳥は、どんな鳥だ」
苦笑いしか出て来ないので カイトが代わりに答えた。
「ドラゴンです。グリーンドラゴンを狩り取りました。肉が柔らかいと文献にも載っておりましたので」
伯爵さまと貴族連中が思うのであった。食べたい。素材を売って貰いたいと思うが声に出せないのであった。そんな中、
「今夜、家に伺う。クララも連れて行くから俺にもドラゴンを食べさせろ、いいな!」
「必要な素材をお持ちいたします。我々の料理では、口に合わないと思います」
「俺にも庶民の味を味わいたい。郷土料理も出してくれ」
「大丈夫だよ。カイト君に作らせましょう。そんな事よりもお酒を買わないといけないのでは、家には余りお酒が無くてよ。お父様」
「それもそうだな! 自家製の酒など出せないよな! いいお酒を買って帰ろう」
「酒など 喉の潤いの為であろう。俺は気にしないから自家製酒を出せ」
「かしこまりました。お時間の方は、お任せいたします。好きな時間に現れて貰っても構いません。準備が出来ていない場合は、その都度 料理を運ばせますので それでよろしいですか。伯爵様」
「俺も秘蔵の酒を持っていこう。楽しみにしておれ」
伯爵がイーナスの屋敷に向かうとその後ろから貴族たちの馬車まで付いて来るのであった。お披露目会を執り行ったお陰で多くの貴族がこの街に滞在をしていた。その為、多くの貴族が来る事となるのだが さすがにこの人数は、予定外だった為に庭を半分潰して馬車を其方に もう半分で立食場所に切り替えるのであった。
待合場所に室内の広間を使った。
全ての下拵えが終わっていたので イーナスと共に広間を作り、机を設置して椅子で囲んで立食会場を作るのであった。人数の確認も出来ない為に立食パーティーを行うのであった。伯爵さま家族が一同に席に着くと多くの貴族が流れ込んできた。
待合室でも子供貴族の部屋だと馬鹿にしていた貴族達も立食パーティー会場の料理を見ただけで 馬鹿にしていた貴族連中が この会場から退場させられてしまった。帰り際には、暴投を履いていたが誰も聞く耳を持たないのであった。伯爵さまの養子に成られる方を馬鹿に出来る者など この街に存在していなかった。
多くの肉料理が振舞われて口のこえた貴族たちがこぞって褒め称えるのであった。伯爵さま家族も喜ばれていた。お酒を飲む暇を与えずに肉料理が運ばれてくる度に腹を満たされて ドラゴン料理が出された時には、お腹が膨らみ過ぎて食べれなくなってしまっていた。それでもドラゴン肉を腹が満たした頃には、横になって動けなくなってしまった。トドがのた打ち回るのであった。
朝日が昇るまで身動きが出来ないのであった。お腹が空いて目覚めるもカイトのドラゴンスープにパンを浮かせただけの簡単な料理を食べだした途端にスプーンが止まるまで腹の膨らむ事を忘れるほどに食べ尽くしてしまった。そして 腹を膨らませすぎて身動きが取れなくなるのであった。
付き添いの執事にメイドまでもが部屋で丸くなって動けなくなってしまっていた。馬車から馬を離してやって1か所に集められた馬達にも食事を与えてやり、大人しく食べるのであった。与えられたものが普通の牧草に薬草を含ませて 水も魔水にして差し上げただけで力が漲るのであった。馬達、1頭、1頭にブラシィングを施して樋爪も掃除をした頃には、カイトの側を離れなくなるのであった。
この屋敷の執事にメイド達は、食べなれていた為に ここまで酷い事になる事も無かったがドラゴン肉を食べた時は、身動きが出来なくなってしまった。あまりにも美味しすぎてその場から立ち上がれなくなるほどであった。キリが無いと判断した。カイトとイーナスは、普通の食事を与えて正気に戻って貰ってお土産にドラゴン肉を渡す。
翌日には、迷惑料も乗かってとんでもない金額がゴアボイア男爵に支払われるのであった。彼等もカイトの作り出す、アイテムバックに興味があり、要求してくるのであった。金貨300枚で 10メートル四方で手打ちにした。それでも20件も受けてしまい。イーナスと共にアイテムバック作成に取り組むのであった。