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ループ! 神にまで上り詰めた男が 次の世界で何を望む。  作者: 御剣 大河
第1章  影の勇者と糞女神
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 理不尽


「意味が理解できませんがお断りいたします。貴族として育っておりませんので学園にも興味がありません。冒険者に成って世界を回ってみたいと思っている処です」


「カイト君、勉強が好きでしょう。私の学園に来れば、色々な本が読めるわよ」


「無駄な知識を取り入れても無駄だと判断しました。部屋の中で出来る事など1部に過ぎません。外に出て色々と教わりたいと思っております」


「君って 本当に10歳、私の妹と全然違うのだけど」


「言葉も思考も子供を通り過ぎているな! おもしろい逸材だ。俺の支配下に入らないか。育てたくなった」


「先程も言いましたが興味がありません。仕事が残っておりますので失礼いたします」


 カイトがお辞儀をして出て行く ・・・


「カイト君って 本当に10歳なの イーナス」


「そうよ。本なんか、捲っただけで覚えてしまうし、魔法も彼から教わったわ。父と剣も教わっていると手紙に書かれていたくらいよ。多分、見ただけでも覚えてしまったのかもしれないわね。

 それに薬草関連も覚えているみたいだし、今では どのくらいの魔法が扱えるのかも私にも理解できないわ。私が凡人で彼が天才だと分かって貰えたかしら フレイアお嬢様」


「まだ 会話だけだから理解しろと言われて納得できないけど 先程、剣を習っているって言ったわよね。私も剣の練習相手が欲しかったのよ。少し、手合わせしてもらえないかしら

 屋敷の兵士達では、私との対戦をしてくれないのよ。頼んでもらえない。イーナス」


 庭にカイトを呼び出して剣の訓練がはじめろうとしていた。


「魔法の使用許可を頂けませんか。僕に部が悪そうなので」


「構わなくても 何処からでもかかってきなさい」


 パトリットに風が吹き抜けたと思った瞬間、剣だけが吹き飛ばされていた。


「これで僕の勝ちで構いませんか。夕飯の準備がまだ残っておりますので この辺りで失礼いたします」


「何をしたの 今!」


「見ていた通りです。風が吹き抜けて 風が剣を巻き付けて後ろに運んだだけです。それだけの事です」


 パトリットにガゼルも魔法使いとの対戦を何度もしてきたが カイトみたいな魔法使いなど知らなかった。もしかして ・・・


「もしかして 剣士を目指しているのか。君は」


「御想像にお任せいたします」


 その後は、パトリットがカイトを攻めるも1歩も動く事も無く、疲れるまで死闘が続き、地面に倒れ込んでしまうのであった。パトリットが


「気が済みましたか。もう夕暮れです。この辺りでお開きにしてもらえませんか。夕食の準備を指せても僕としましては、助かる処なのですがダメでしょうか」


「1つ、教えて貰えないか」


「何でしょう」


「私の剣がどうして君に当たらなかったかを」


「木剣を振れば、風が起きます。その風を利用して魔力を注ぎ、剣筋を変えた迄でございます。それだけの事です」


 何を言っている。意味が解らない。どうやったら魔力を空気中に撒く事が出来ると言う。そんな与太話など聞いた事も無いぞ。文献にも載っていた記憶もない。魔法使い独特の戦法か、私の周りでこんな真似が出来る。魔法使いなど見た事も無い。知りたい。知りたい。教えて貰えないだろうか。


「私にこの技の取得は可能か」


「無理だと思います」


「どうして無理だと言い切れる。根拠を教えて貰えないか」


「1つに魔力量が少なすぎると もう1つが魔力操作を使えないとできません。それだけです。多分ですが どちらも持っていないと思いますので」


 範囲を固定させれば、使える魔力内であれば可能かもしれないが 俺には関係ないか。


 イーナスですら ここ最近になって魔力操作を覚えたと言っていた気がするが はぁ~そうだった。イーナスに魔法を教えたのは、この坊やだったな! 出来ていて当たり前か、


 魔法に関してなら イーナスの何手か、先を歩いているみたいだ。この子からしたら私も凡人の類って事か。


「どうして 剣を使わなかったの」


「今現在、検証中です。もう少し、扱えるようになってからでも遅くないかと思いまして」


 また 訳も分からない事を言い出したわね。剣を振ればいいだけでしょうに それ以外に何が出来ると言うのかしら


 カイトが一振りしただけで風を切り裂き、正面の壁に亀裂が入る。


「この様な状態でして 人様に向かって振れば、自然と切断してしまいます。魔力調整を行っている最中です」


 ガゼルとパトリットの額から大粒の汗が吹きだす。


「「欲しい」」2人と言葉が一致した。


「ダメよ。カイト君は、私だけの物よ。誰にも渡さないわ」


 俺は、“ 物 ” 扱いか。


「ごめん、イーナス! 言い方を間違えたのよ。この街の騎士に成らないかしら 騎士なら貴族と違うし、それに妹と婚約してもらっても構わない。妹も差し出すから私達と家族に成って貰えない」


 パトリットが父親を見ると意味を理解した。


「どうだろう。この屋敷は、父親の新居にしてもらって イーナス殿には、我が娘としてパトリットと姉妹に成って貰い。カイト君には、俺の娘と縁談してもらうと言う事も可能なのだが

 当然、貴族に成らなくてもよいし、冒険者に成って貰っても構わない。好きの様に生活を送って貰いたい。冒険者レベルが上がれば指名依頼を出すから受けてもらえると助かるのだが」


「イーナスお姉さま、僕には関係が無いみたいだ。この街の領主様ともお会いできたからお披露目に顔を出さなくていいよね。明日か、明後日には、村に帰るよ。

 この街は、居心地が悪すぎる。僕には」


 カイトが屋敷の中に消える。






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