パトリットが登場
「何をしたの 今! 草木が勝手に切り取られて 勝手に集まってしまったけど」
「風魔法です。風の刃で剪定して その落ちてきた落ち葉を風の勢いで集めました。その後は、切り刻んだ後は腐らせてから養分変化をさせて草木たちに戻します。
何か、おかしな点でもありましたか。この屋敷に来たら毎日の日課です」
「そんな事をしてしまったら 魔力切れを起こしてしまわないの」
「最初の頃は、そんな事もありましたが毎日行っていたら慣れました。今では、問題が無くなりました」
やっぱり、私と考えの発想が違うわ。私ももっと魔力を振り絞ってやる。その後、屋敷の反対側には、厨房があり 料理人が料理を作っているのであった。その場にカイトが顔を出したまでは、普通に対応していたがイーナスが顔を覗き込むとその場の仕事が 手が止まるのであった。
カイトが焼けた匂いに気が付いて
「料理長、手が止まっている。中の具材に火が入り過ぎてしまうよぉ~」
フライパンを持ったまま、カイトの方を向くと
「カイト、此方の方って もしかして」
「僕のお姉さん。この屋敷の主人、イーナス・ゴアボイアだよ。気にしなくていいよ。僕の仕事ぶりを見学しているだけだから それに邪魔なら追い出しても構わないし」
人差し指で鑑定眼鏡を直してから
「少しの見学の許可を貰えませんか。ブラットリーさん」
「あなたがこの屋敷の主人だ。自由にしてもらって構わないが 出来るだけ触らないで欲しい、なかには危ない物も存在しているのでお願いできますか」
「わかりました。カイト君の側に居ります」
まだ 14歳であの対応か、俺の時が本当に何も出来ないガキだったな
ここでもカイトに驚かされる。鍋や食器を洗うのだが普通は道具を使って洗う処を魔力操作で水を操って鍋に付いている油や汚れを洗い流していくのであった。それが終われば、野菜の皮むきに下拵えまで手伝いだした。
カイトの仕事風景を眺めていたがったがお客様が現れてイーナスがその場から立ち去ると調理場の雰囲気が変わるのであった。
「カイト、本当に賢者様の弟だったのだな」
「そんな風に見えませんが説明したでしょう。ホリンさん」
「さすがに威圧が凄いな、カイトよ」
「そんな物が出ていましたか。姉さんから」
何も感じなかったけど
イーナスが厨房から出ると 少ししてから笑い声が聞こえてくるのであった。そんな後ろ髪を引かれながらも玄関に来てみれば、見慣れない玄関に 見慣れない調度品が置かれており、出迎えるのであった。
「良く御出でくださいました。フレイアお嬢様」
「イーナスの屋敷も見たかったけど あなたの弟を見たいわ。紹介してもらえるかしら」
「それは構いませんが 後ろ御方って もしかしてガゼル・フレイア伯爵様ですよね。お初にお目にかかります。
イーナス・ゴアボイアと申します。フレイアお嬢様のお導きで貴族の仲間入りを致しました。よろしくお願いいたします」
スカートの裾を持ってお辞儀をする。
「もしかして そのメガネが鑑定眼鏡かね。後で構わないから俺にも使わせてもらえないか。鑑定してみたい」
「それは構いませんが 他人を見てもレベルと名前と年齢しか分かりません。それ以外の事が見えないみたいです。それ以外の物であれば、大抵の事なら解ります」
「それは、よかった。ダメだと言われたら困る処であった。それで俺にも君の弟君を紹介してもらえないか」
「イーナス、あなたが雇っている。庭師って あんなにも大きな木も手入れが出来てしまうの 私の家の木も剪定してもらえないかしら賃金を弾むから」
カイトが行ったなどと言えずに無言で話の内容を変えるのであった。
「カイト君を呼んで来てもらえるかしら 厨房にいるわ」
「畏まりました。イーナス様」
執事が「イーナス様、広間はこちらになります」
「ありがとう。セバス様、知らない事が多すぎるわね。
今、弟を呼びに行かせましたので広間でお待ちください。お茶菓子も用意いたします」
扉を開けて ソファーに腰かける。ここも綺麗になっており、お客さんが現れても大丈夫になっていた。そこにワゴンを押して子供が入って来るとお客様にお茶とお菓子を添えてあり、お出ししてからイーナスにも出してから イーナスの後ろに控えるのであった。
「何か、御用ですか。イーナスお姉さま」
カイトの言葉に驚きを隠せないでいた。使用人の服装で服のあちこちが汚れていたからである。それどころか、穴も開いており 奴隷と見間違えてしまうほどの服装でもあった。
「カイトに紹介したい人物が降ります。こちらの男性がこの街の領主様で ガゼル・フレイア様です。そして 長女で パトリット・フレイアお嬢様よ。滅多に会う事もありませんが覚えておくように」
「わかりました。イーナスお姉さま。僕は、カイト・ゴアボイア10歳です。よろしくお願い致します」
綺麗にお辞儀をする。
「君は、貴族の子供であろう。もう少し、小綺麗な姿をするものであろう」
「すいません。僕は、家では要らない子として育てられました。全てがこのような服装しか持っておりません。10歳のお披露目会に出席するのも控えたいと思っているぐらいでして 行かなくてもよろしいですか。皆さま方みたいな綺麗な服も持っておりません。ので」
「イーナス、カイト君に説明したの 国王陛下からの招待の件」