目覚める
「この世界は、浮遊している魔力が少ない。もしかして体内魔力だけで戦闘を行うのか」
カイト自身の魔力でエアーボールを作り出してみた。魔力2を使って本来であれば指先程度の大きさが出て来る筈が直径1メートルほどの目に見えないエアーボールが出来上がってしまうのであった。
実証している最中に真上にワイバーンが飛んでいるのが見えたので 撃ちだして見た処、とんでもない程の威力で飛んでいき片翼と胴体の半分が消え去り、上空から落ちてきたのが 見えたがカイトは気にしないのだが この屋敷の主と村人は、何事かと恐怖を覚えるのであった。
空を見上げてもワイバーンを襲った魔獣の姿が無く、地上にもそんな物が存在していなかったからである。不吉な事が起きない事を祈りながら ワイバーンの肉が村人達に分け与えるのであった。屋敷の主が
他の魔法も実証してみたいが辞めて置こう。迎えが来たみたいだ。彼女が何かを話しているが言葉が理解できないでいると女神のスキル欄に言語調整があったのでレベル10まで引き上げた処、理解が出来たが 周りを飛び交う鳥達の会話迄、聞き取れる事が分かるのであった。面白いのでそのままにして置く。
彼女が抱き付こうとしたので3歩後ろに下がると空振りで空を切るのであった。
「何か、用でもありますか」
透き通る。カイトの声を聞いたメイドが驚くのであった。今迄の彼の声質と違うからである。対応も
「屋敷に戻りましょう。坊ちゃん! 奥様が探し回っております」
「もう少し、外の空気を味わいたい処ですが我慢しておきます。案内をお願いできますか」
今迄の坊ちゃんとあきらかに違うのだが 何処が違うと言われても分からないのであった。それでも 見知らぬ存在を奥様の処に連れて行けば理解してもらえると判断するのであった。
屋敷に連れて行かれると扉を開く。この肉体の母親が出迎えるのであった。彼女もカイトに抱き付こうと両手を拡げて抱き付いて来るも3歩後ろに下がって回避してしまった。
「どうして逃げるの 私は、あなたの母親なのよ」
「まだ 心が癒えていないのだと思います。もう少しの時間を貰えませんか。お母様」
そこに1人の子供近付いて来て カイトに抱き付こうとしたものの2歩下がり、身体を90度避けると母親に抱き付くのであった。
「何か、御用でしょうか。ペドロ兄さん」
「どうして 後ろから抱き付こうとしたのに僕の事が分かった」
「何となくです」
気配感知とサーチ魔法の併用で全てが見えてしまっていた。
「もう少し、外の空気を吸っていてもよろしいですか。お母様、お兄様」
母親の魔法属性は、水で兄が火であった。そして この肉体には、何の属性も付与されていなかった。何か意味があるのかと思うが思い当たる事もなかった。この世界に降臨してから数時間での事であったので カイトが考えを巡らしている最中も兄のペドロがカイトを捕まえようと飛び掛かって来るものの綺麗に避けて玄関扉から出て行ってしまった。扉が閉まると同時に大きな衝撃音が聞こえてくるのであった。
カイトが5歳になった事で洗礼を受けて 神からの祝辞が貰えるとの事である。5歳から魔法が使えるようになるみたいだ。5歳になるまでは、魔力循環を毎日、行ってきたので不思議と魔力量迄増えてしまっていた。
ロダンスウォール国は、王都を海の側に置いており、それを取り囲むみたいに3つの伯爵領があり、1つの領土に10人の子爵家と10の村があるだけの小さな国であった。30の村を仕切るのが30名の男爵でもあった。俺の父親もその内の1人として任命されており、代々この国の男爵を引き継いできているのであった。
2年間の時間を使って色々と分かってきた。この大陸には、帝国に獣王国、エルフ国と言われる国も存在しているとの事である、大小さまざまな国があり その小国の1画に我が国があるみたいだ。国の領土もバロンフォード領と大して変わらない程度の小さな国であることを理解した処で馬車を走らせる最中、1日で伯爵領に到着できてしまうほどに近くの村であった。遠くても2日の道則だと言うのだから 本当に小さな国だとお分かりいただける。
カイトの領土主がフレイヤ伯爵で 他には、フロイス伯爵、パスカル伯爵が存在していた。朝に出発して夕方には、フレイヤ伯爵領に到着していた。フレイヤ伯爵領にも小さいながらも家があり、メイドが2人控えていた。この世界にも普通に魔物や魔獣が存在していると大陸が違うけど 魔界が在ったり、魔人が住む大陸も存在しているとの事だ。何でもアリアリの世界を作り出したみたいだな。
魔法と剣の世界であるが実際は、剣が多くて魔法を扱える者が少ないみたいだ。村から出るのも今回が初めてあった為に検証ができないが問題が無いと思う。家を抜け出してフレイヤ伯爵領も散策してみよう。面白い事がおこりそうだ。この世界でも人を殺しまくれることを願って戦いの準備を着々と進めれるようにしておこう。