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ループ! 神にまで上り詰めた男が 次の世界で何を望む。  作者: 御剣 大河
第1章  影の勇者と糞女神
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 戦場


「カーネルさん、食事の用意をしておいて 長期戦に成りそうだ。金は、こっちのおっさんに請求を回しておいて」

「街の住民を総動員させて食事の準備を指せて置く、金の心配をするな! 今回の報酬も弾ませてもらう。頑張って来い。カイト!」

「俺は、無駄な魔力を消費してくるだけ」


 片手をフリフリさせながら カノン達を引き連れてミナギクと城門近くの酒場に向かうのであった。その頃には、足の速い冒険者達が既に戦闘を始めているのである。


 影に潜む彼等が 森から出て来る事も無かった。森の中での戦闘を繰り返すのみで


『もう、いいよ。帰っておいで無理は禁物だよ』

『一度、街に戻って休憩を取ります』


 助かったぁ~ そろそろ限界だったよ。ケガ人も出ないとは、経験値が上がっているな

 森の中で戦闘を行っていた者達が忽然と消えるのであった。その数、20名が


『フィンさん、彼等に十分な食事と睡眠を』

『かしこまりました』


 念話で会話を行いながら カノン達とも会話をしながら城門近くの酒場に付くのであった。


「カイト、状況は」

「第1陣目が 戦闘が始まった処かな」

「カイト、珍しい肉を置いていけ 街の中で暮らしていると毎日が同じ食材になってしまってな」

「この前、森の中でベアーの子供がいたから狩っておいた奴でいいか。カノン達の分も含めて50キロもあれば、問題が無いだろう」

「ちょっと待て これって教会に泊まった時の肉だろう。あの肉って これだったのか」

「ベアーの子供の肉って そんなにも珍しいの?」

「珍しいというか。貴重だな! 滅多に食べられないし、大体が貴族に流れてしまって庶民の口になど入る事も無い」

「ちょっと待てよ。親は、どうした。親は?」

「俺のサーチに入らなかったから 知らん」


 他の魔獣と戦闘中だった記憶があるな まぁ~問題が無いか。


「子供のベアー1頭で 大体、金貨150程度で売買されている。後は、状態にもよるがな」

「さすが商業ギルドのギルドマスター」

「カイトよ」

「分かっている。手と足だろう。取ってある。それと頭の部分も3頭分ある。それと毛皮もな」

「これで親が出てくれば、更に儲かるのだがな! 出て来ないかな」

「辞めてくれよ。ババァ~、どれだけの冒険者が死ぬと思っている」

「何を言っている。お前達親子がワシの目の前にいるだろう。問題が無かろう」

「だったら 自分で行えよ」

「アタタァ~、こ・腰が 歳は取りたくないなぁ~」

「いいわよ。私が丸焦げにしてあげるわ。いい案配に焼き上げてあ・げ・る。それで いいわね」

「ちょっと待て パルム! 後生だから それだけは辞めてくれ、価値が無くなってしまう」


 酒場で笑い声が響く最中に肉が焼き上がり、カイトが


「いい頃合いだな 行ってくる」

「カイト、俺の武器を2本、置いて行ってくれ」

「武器を持ってこないで街まで来たのか。親父は」


 勘弁しろよ。何でかんでも子供にやらせるな! 大剣を2本、地面に突き刺すとカノンと異世界人の2人が驚くのであった。


「ゼントさんの武器って 大剣だったのですか」 ゼントの後ろにミスリルの大剣が地面に突き刺さると長さが5メートル近くもあった。



 その頃、戦場では多くのケガ人が出始めていた。バロンフォード領から来た。冒険者達は、教会の方々がケガの治療を行っていた。


 その教会の方々を守るのが 新人冒険者や駆け出しの冒険者達であった。


「頼む、カイを助けてくれよ。俺達のリーダーなんだ。頼むよ」

「私達は、回復師の見習いです。今現在、司祭様と牧師様、それにシスターの方々がケガの治療を行っております。もう少しお待ちください。時期に順番が回ってきます」

「それでは、間に合わなくなってしまう。このケガでは助からない」

「顔色が段々と紫色になってきているのだけど 大丈夫だよね」

「すいません。私達では、わかりません。ごめんなさい」


 それでも手を休めないでケガをしている場所の血止めを行うのであった。少しでも寿命が延びるように そんな最中に


「キャロ、これを飲ませて それだけで十分だ」

「ちょっと待てよ。これだけの血が出ていてポーションだけか。カイトと言ったよな 貴様は」

「腹部の傷はたいした事が無い。それよりも先に解毒させれば、全て解決だ。他に何かあるのか、患者は、お前達だけで無いのだぞ」

「済まん。悪かった」

「キャロ、血止めの薬草を巻いておけ」

「はい、カイトさん」


 カイトが離れると


「私達も良く、この街に訪れるけど見た事が似のよ。あの坊やは」

「カイトさんが訪れたのは、1年ぶりです。確か、今現在は王都の王立学園で生徒をしていると思います。

 私達とそんなに年齢も変わらないのに薬師で回復師なんて 羨ましい限りです」

「あの坊やって 冒険者なのかい?」

「そう聞いておりますが 何故ですか」

「私達のメンバーに誘ってみようかと思ってね」

「止めておいた方がいいですよ。カイトさんと一緒にいると心臓に悪いですよ」

「どうして?」

「この街の偉い人に対して おっさんとババァ~扱いで会話をする人ですからね。私達は、いつもヒヤヒヤしているのです」

「この街の偉い人って もしかして領主様や冒険者ギルドのギルドマスターに 商業ギルドのミナギク様の事か」

「他にもまだまだ居りますが そんな処です」

「キャロ、他の間者の処に向かうわよ」

「うん、ごめんね。他の処だって」


 カイトが大体の治療を終えると戦場に足を向けるのであった。多くのポーションや乾燥させた薬草を置いて


「カイトさん、戦場に向かうのですか。気を付けてくださいね」

「キャロも無理をするなよ。死にそうな奴なんて死なせて助かる命を助けろよ。いいな!」

「それでも 頑張ってみます」

「いい心掛けだ」


 カイトを見つめる少女の姿が いつか、カイトの隣を歩いて患者たちを治療したいと思うのであった。






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