神獣だと バラス
バロンフォード領のバロンド学園に1人の男性と魔獣が姿を現す。魔獣の尻尾に剣を持っており、凶暴な顔付きで誰1人として近付いてこない中、1人の執事が近寄る。
「お久しぶりです。カイト様! お約束通りに来られたのですか。カノンさんは、今現在 試験をお受けになられております。このまま 学園内を視察しますか」
周りをキョロキョロした後に
「入っても構わないのか」
「当然です。あなた様は、王立学園の生徒です」
「退学したぞ」
自主的に勝手に辞めただけだが
「学園でもそうですが 国もそんな事を思っていないみたいです。学園内に席が残されているみたいです」
「たかが1人の男がいなくなった程度で国が傾くのも可笑しいだろう。早めに影の勇者を作り出せばいいだけであろうに 昔の栄光にしがみ付いていただけで時間の無駄だと分からないものかね。
国がどんどん可笑しな方向に流れ剥いている事など 分からい処まで来てしまったのか」
「何の事ですか。理解できかねます」
「国のあちこちに不穏な空気が流れ出している事も把握できないとは、領土の主は何をしているのやら バロンフォード領、以外の領が潰れてから調べても分からないと言う物なのにな
もう 俺には関係が無いから問題が無い。伝えてもいいが意味が理解できないと思うぞ」
このバロンフォード領には、両親が過ごしているから殲滅しているから問題が無いが 他の領土に王都はどうなってしまう事やら楽しくなってきた。
「それで 俺を捕まえるのか。多くの者達が隠れているみたいだが」
「念話を送りました。3日後に来るそうなのですが それまでお待ちしてもらえませんか」
「無理だな、先約がある。それと俺を “ カシラ ” と 呼ぶ連中もこの国から出て行った。今現在、俺の家に住んでいる。ギルガイア国から人が消えるが気にするな! 俺の住処に建造しているだけだ。
その内に顔を出すから その時に話をすればいいだろう。悪い話で無いと思うぞ」
ミントの背中の上で寝ていた。ルージュが起き出す。荷物だと思っていた、セバスも驚くのであった。気配を感じなかった。からである。
起き上がると周りをキョロキョロしはじめて
「カイト、ここ何処? 見た事もない処だけど多くの人の気配を感じる」
「暴れるなよ。全ての気配も消して置け、俺に付いて来るなら従え、出来なければ消すぞ」
カイトの殺気が少し漏れ出しただけで ルージュとミントが震えあがってしまい。セバスが意識を失うのであった。
「何だよ。少し、殺気が漏れた程度で気を失うのか。子供の殺気程度で」
イヤ、イヤ、可笑しいだろう。仮にも僕は、邪神だよ。邪神の僕が怯えて未だに震えが止まらないなんて間違っている。カイトって本当に何者なの?
さすがは我が主、至極当たり前の出来事である。
カイトが辺り一面に対して状態異常を回復させると意識を取り戻すのであった。
「気が付かれましたか。セバスさん」
「私はどうしたのでしょう。どうして地面に倒れてしまったのですか」
何も覚えていないのか。元Sランク冒険者なのに
「そろそろ、カノンの試験も終わるのでは彼女は受かりそうですか」
服の汚れを落としてから
「問題なく、合格が出来ます。私が保証致します」
カイトが校舎の側で話をしている姿を見た生徒達が 特に女性達がカイトに意識を向けて来るも見向きもしないのであった。
「カイト様、女性達にも挨拶をされてはいかがですか」
「興味が無い。烏合の衆に」
「手厳しいですな、相変わらず。そんな事では、彼女が出来ませんよ」
無言を貫いているとカノンが校舎から出て来るも既に友達が出来ているのであった。カノンを挟んでキョロとニーナがカノンと話をしている姿が見えた。彼女達はカイトの村と街の間にある。孤児院出身でカイトを追いかけて薬師を目指すのであった。その為にバロンド学園に入学試験を受けに来たみたいである。
遥々、3日の道則を使って カイトの姿を見た途端に手を振るのだが近くに見た事もない魔獣の姿を目にして 気をくれするのであった。当然、カイトに近寄りたい生徒達もまた ミントの姿に近寄りがたいのであった。
「さすがに魔獣が側にいるだけで生徒程度では、近寄ってきませんね。何と言ってもSランクの魔獣です。一般の冒険者でも無理でしょう。見た事もないと思います」
「そうなのか、本来の大きさは もっと大きいぞ。街中に入るから小さくさせている」
セバスが額から大粒の汗をかきながら聞いてきた。
「もしかして 伝説の聖獣ですか。体長が5メートルを超えた」
「聖獣で無くて神獣だ。内緒にしてくれ 国からの野次が五月蠅いから」
神獣だと聞いた途端に両膝を付いて拝みだしてしまった。
「どうしたの セバスさん」
「神獣様の尻尾に絡まるように持っている武器って」
「俺の武器だよ。ガウェインって 名が付いている」
「触る事は可能ですか」
「それは構わないが 持った途端に死んでもいいなら好きにしてくれ、生き物の魔力を吸い尽くすぞ。当然、魂も食べてしまう。何秒持つか、試してみるのも面白うそうだ」
途端に手を引き戻した。
「辞めておきます。恐れ多いいです。私では」
「そうか、残念」
カノンが近付いて来て
「本当に来てくれたんだ。カイト」
「約束したからな 合格おめでとう。カノン」
「まだ 試験を受けただけだよ。結果が出るのは、1週間後だし」
「問題が無い。カノンの後ろに控えている。キョロとニーナも合格だな!
1週間の間、面倒を見てやってくれ セバスさん」
「畏まりました。カイト様。主には、私の方から報告しておきます。
お嬢様には、何か伝える事はありませんか」
「テレスなら 俺の家に辿り着けるだろう。その時にでも話をするとしよう。それでいいかな」
「カイトって 本当に何者? セバス様と対等以上で話が出来るなんて可笑しいでしょう」
「カノンも冒険者になるのであれば、この魔獣ぐらいは討伐が出来るようになれよ」
ガウェインがカイトの腰のあたりに来る、ミントが本来の大きさになった途端に放電しはじめた。途端にルージュがカイトの後ろに逃げてきてガウェインに座った。
セバスさんは、知っていたもののミントの本来の姿を見ただけで神が降臨したと思い込むほどであった。
「俺は、冒険者に成れなかったけど カノンなら十分にやっていけると思うぞ。頑張れ」
その一言を告げるとカイト諸共、魔獣も姿が消えるのであった。