ドラペイ
「やっと解放してくれたな! ドラペイに愛されていないのか」
「最高の女だと言われてはいるのですが ・・・ 女の扱い方が下手なのです。どうしたらよろしいのですか」
「ちょっと待てよ。どうしてカイトに俺達の関係を勝手にしゃべっているのだ。ネネ」
「何だ。ドラペイは童貞くんだったのか」
「そうだよ。映像では見た事があったけど女の身体を触るのも初めてだ。それが悪いのか」
「それだったら簡単だ、慣れるよりも 慣れろだ! まだ2人とも初めての域を超えていないのであろう。股間に回復魔法を掛けながら行ったらいいだけだ。ただし、朝日が黄色くなるまで行うなよ。無駄な1日を作ってしまうぞ。
まぁ~お前達2人は、愛し合っているから問題が無いと思うがな」
「どうしてカイトにそんな事が言える。お前自身に女の影が無いぞ」
「この前、1人増えて 今現在5人になった。5人とも感情剥き出しで襲ってくるから激しいぞ。3日3晩の戦闘よりも疲れてしまうくらいだ。
どうだ、もう1人増やす気が無いか。女を紹介してやろうか」
「ちょっと待った カイト! その話の流れから行くと僕の事だよな。嫌だからな 人間なんかと交わりたくない」
「俺も その人間の1人なのだが」
「自分が普通の人間だとでも思っていないよな」
ルージュが本気で怒りだした。途端に威圧と覇気が漏れ出すと その場にいる者たちが震えあがってしまった。仕方が無く、頬を触ってなだめるのであった。
「一々、感情を剝き出しで怒るな! 表面だけにしておけ、それと冗談として綺麗に洗い流せ、出来るよな 感情のコントロールも」
「けど 僕の気持ちも」
カイトが頬に触っている。手を口に当てると不思議と安心感が生まれて
「股間に毛が生えてからにしようか。それまでは、普通の男に揉まれて抱かれてみるのもいいだろう」
「それもヤダ、初めての男もカイトがいい。私もマルに負けない」
アイツ等よりも僕の方がいいと言わせてやる。この時点でルージュは知らなかったのだ。精霊獣達が進化を遂げて凶暴化している事を その1番最初の標的になっていたのがマルデュークであった。カイトと別れて家に戻ってみると今迄に感じた事もない程の威圧と霊圧を感じ取っており、その場に立ち竦むのであった。近づく覇気を感じ取りながらも振り向く事が恐ろしいと感じ取るのであった。
そんな事もありながらもカイト達は、平穏な事をしていた。
「振られてしまったな。ドラペイ」
「俺は、ネネだけいればいいんだよ」
「回復師もいいが剣士もいた方が 戦闘が有利に進むぞ。金に余裕があれば買っておいて損はない。冒険者をするのであれば」
「ネネを買ってしまって殆ど使い切ってしまったよ」
「すいません」
「いいって 俺が勝手にネネに惚れてしまったのだから」
「金に困っているのか。いい物件を紹介してやろうか。どうする」
「そりゃ~金になるなら紹介してもらいたいけど 命がけとかは勘弁してくれ まだ冒険者になったばかりで 経験も少なすぎる」
「簡単な仕事だ。後ろの女2人をバロンフォード領に連れて行ってやればいいだけだ。それだけで貴族のお嬢さんに家から謝礼金が支払われる。出さなければ爵位剥奪になるだけだ。
その意味が理解できるよな 下半身がお子ちゃまでも」
「わ・わたしをお子ちゃまと呼ばないでください。カイトさん」
彼女の頬を触って
「いい女に成るだけの素質を持っているのだ。そこも磨けば、男達がお前を頬っておかないと思うぞ」
「カイトさんも私に振り向いてくれますか」
「それは無い。お前の真実を見てしまったからな 見る前だったら惚れたかもしれないのに残念だ」
「だったら 私なら問題が無いですよね」
「裸の2人を運んだのは、誰だと思っている」
顔を赤々としながら下を向いてしまうのであった。
「カイト、この2人との経緯を教えろ」
今迄の出来事を教えてやるとネネが1人だけ 顔を赤々としてしまった。
「ドラペイに助けられたとでも言って 俺の名前を出さない方がいいだろう」
「どうして カイトの名を言わない方がいい」
「要らぬ詮索をされるぞ。それでいいなら言ってもいいが」
ドラペイは無い頭で考えた結果、
「それでも構わないか。お嬢さん方」
「俺からの報酬は、首輪の解除にでもして置くか」
2人がガバット、振り向いた。
「そんな事までできるのか。カイトは」
「本当に奴隷の首輪を外せるのですか。カイトさん! 一生涯、ドラペイ様に尽くしますので外してください」
「経験が少ない2人が首輪を外せば、また狙われるけど それでいいなら外してやるぞ」
冗談で言ったのだが 本気にしたな! カイトの言葉を聞いて 真実を告げられたみたいに撃沈してしまった。ネネを守り切るだけの経験値不足と多くのスキルも獲得が出来ていなかったからである。それに2人の武器も揃っていなかった。
「カイト、ネネにロットを貰えないか。武器を持っていない」
「少し待て」
カイトが地面に対して感知魔法を発動すると純度の高い宝石を選び出して 1つを取り出すと錬成空間の中でもう1度、錬成をして さらに純度を上げてから水魔法を付与した。ミスリル鉱石でロットを作り上げてから純度を上げた宝石を付ければ簡単に作り出してしまうのであった。
まだ 熱を帯びているので錬成空間で冷やしてから ネネに渡すと呆然と眺めていた。4人が