状態異常回復
翌日の朝まで話が終わる事もなく続いた。ルージュは未だに沈んでおり、4皇が待っていると聞いた途端に震えが止まらないのであった。邪神1人と精霊神4人とでは、戦いにもならなかった。戦う前から結果が出ていた。1対1であれば、戦い方1つで勝てる見込みもあるが 4人も揃っていれば何を企んでも何もしないでやられてしまう。それが分かっていたからこそ、ルージュは沈黙をしているのであった。秘策を考えていた。
「カイト、僕をカイトの彼女にしてよ」
「逃げだせばいいだろう。俺に固執しても仕方が無いだろう。自由に人間社会を崩壊させて歩けばいいだろう。昔みたいに自由を手に入れたのだからな それに死なないのだろう。
1000年後にまたしても復活すればいいだろう。1万年の封印よりも1000年の死の方がいいだろう」
「1000年も先でも 1万年も先でも カイトがいなくなってしまうじゃないか。今の世界が1番、僕の幸せな時間なんだよ。カイトがいれば、何でも手に入る。僕の幸せな時間なんだよ」
「意味が解らない。俺には関係が無い事だな!」
『主様は、ルージュの言った意味が解らないのですか』
「わからない。ミントは分かったのか」
『私もメスですから ルージュの気持ちが分かります。主様はもう少し、女の気持ちも理解した方がいいかと思いますが』
「どうしたらいいのかな ミント! 僕、このままじゃ~1万年、封印されちゃうよ。カイトがいない世界に復活なんて考えられない」
『精霊神たちの相手は、マル様にお願いして 主様と一緒に家にお戻りになられてはいかがですか。私も微力ながら力になりますよ』
『仕方が無い。我も力を貸そう。ただし、100年以内に主様に抱かれなかったら 1000年の封印をしてやるぞ。それでいいなら力を貸してやる。
もう少し、女心も分かっているかと思ったのだが ・・・ 』
目に涙をウルウルさせながら 2人に抱き付くのであった。ミントがゼブラタイガーでガウェインは、剣であった。
「勝手に盛り上がっているが マルは、どう思う。コイツが必要か」
「ルージュの気持ちも分かりますが 私としましては、どちらでも構いません。ルージュが死のうが封印されようが私には関係がございません」
「ちょっといいかしら カイト!」
「何だい、母さん」
「さっきから聞いていると この子って死なないのか。どうして?」
俺とマルの頭の上に “ ? ” が乗っているとミントが教えてくれた。
『主様、お母様の鑑定レベルでは見る事も出来ませんし、見た途端に頭が切断されてしまいます。それに俗世界の事まで人間が解らないかと思うのですが
ルージュが邪神とお教えしていないと思います』
『そうだったか! 言ったと思ったがな』
『ミントの言うとおりです。旦さん』
カイトがそのままを両親に教えてしまったが為に 全身で震えあがってしまった。本来の姿なのだが
「実は、母さん。ルージュは邪神なんだよ。本物だ。
数百年、昔にこの大陸のあちこちを壊滅させてしまった。邪神の1人で多くの魔王を従えさせて国々を滅ぼした張本人なんだ。
神々の怒りで封印されたのだが 遊び半分で俺が封印を解いてしまって 俺の家で精霊獣が待っていると聞いた途端にこの有様なんだよ。・・・」
話の途中から何も聞こえていなかったみたいで邪神の波動も出ていなかった筈なのに 邪神って 言葉に反応して無口になってしまい。そのまま 2人仲良く、気を失うのであった。
伝えてあったと思ったのだが まぁ~いいか! それにしても俺の親なのに普通だな、普通の反応で気を失った。
カイトが状態異常を解除すると両親が目覚めるのであった。
「一々、気を失うなよ。魔力の無駄使いだ。こんな事で気を失っていたら一緒に住む処で無いのでないのか。何度も気を失えば慣れるかもしれないな、女達にも」
「そうですね。私も魔力を抑えるのに苦労しますから 解放させてもらえると助かります」
「カイト、僕も」
「もう1度、封印しておくか。面倒だ。俺が1万年、誰にもばれない封印魔法陣でルージュを封印してしまうか。この世界の次元だから簡単にばれてしまったのだから 次元の隙間に放り込んでしまえば問題が無いだろう。
その方がいいと思わないか。マル」
「カイト! あなたは、この子の気持ちが分からないの」
「あのさぁ~ お袋! 今の俺って 女が5人もいるんだぜ~ それに この先、ミントも俺の女に成るかもしれないって時に女ばかり増やして どうする積もりだよ。
平凡な生活を望んでいるのに女が増えると気苦労で死んでしまうわ。そんな事にでもなったら この世界の終わりが見えると思わないか。魔王云々なんて可愛く見えると思うぞ。神々の怒りで世界崩壊を見るのか」
世界崩壊なんて そっちのけでミントが人間になる方に関心を持った。パルムであった。
「このゼブラタイガーの子がミントちゃんよね。人間に成れるの? どうして?」
またしても 振り出しから話すのか。勘弁してくれよ。その後も何度も気を失いながらも話が尽きる事もなく、昼過ぎになるのであった。