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ブリーディング日記(腐)  作者: 百澤舌莉
8/20

2日目(5)

開いてくださり、心から感謝いたします。



          〜        〜        〜



 小学校で転校してきた僕だけど、特に仲良くしてくれて今でも仲良しなのが拓人。


 家が近くて、登校班も一緒だった。

 学校に行く時から帰る時まで、ずっと話していたが、全く飽きない。

 むしろ、話し足りないくらい、拓人との時間は楽しいものだ。



 今日はそんな拓人が休みだから、一人で弁当を食べなきゃいけない。


 正直、寂しいけど見逃したバライティーを見ながら食事を始めた。



 半分を食べ終えた時、あまり話したことない男の子が話しかけてくれた。


 彼はクラスの中でも率先してみんなを引っ張っていくようなタイプで、僕には近寄り難い印象だった。



「ねえねえ、佐々木くんてさ、いつもお弁当だよね。

 その弁当ってもしかして自分で作ってたりするの?」


「えっ、うん。」


 急に話しかけられたから、ぎこちなくなってしまった。


「あ、でもお母さんに手伝ってもらってるし、むしろ、お母さんが作るの、手伝ってるくらいだから。」


 なんとか話を続けたら、彼は机の前にしゃがみこんだ。


 そして、組んだ腕を机の上にのせ、上目遣いでこちらを見てきた。


(距離詰めるの早いな……やっぱ苦手かも。)


 笑顔が引き攣ってきたのが自分でもわかる。



 つらくなったその時、



「ねえ優くん、面白そうなドラマ見つけたんだけど。」



 聞き馴染みのある声が聞こえ振り返る。


 そこにはスマホ片手に笑顔で駆け寄ってくる菜緒さんの姿。


(あぁ、助かった……)



 菜緒さんの話に食いつくと、彼は去っていった。


 悪いことしてしまったかな、と思ったけど、今は菜緒さんへの感謝でいっぱいだ。



 話題は次クールのドラマのことだった。


 紹介してくれたものはどれもいい作品に思えて、来月からは大変そうだ。


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