2日目(4)
開いてくださり、心より感謝いたします。
「ほう、これはレアだなぁ。」
箸を持った手を顎に持ってい気、香織はそう呟いた。
「香織にはどう映る。
あれは、前々から優くんを狙っていたように見えるか。」
「あー。そう言われれば、そんな気もするような。
てか、そこまで考えてないよ。 優くんが色んな人と仲良くなっていいじゃん。」
「いや、いいんだよ。友好関係を広げることはとてもいいことなんだ。」
「でしょ。」
「でも、あの空気に呑まれでもしたら……優くんが、優くんじゃなくなってしまう。」
「いや、優くんは優くんだよ。ただ成長したってだけで、」
「はっ!? もしかしたらこれは関係を深めるためのイベの可能性が……!?
いつも一緒の、拓人との関係を深めるためのイベ、神イベ。 これが、」
興奮が絶頂に達し、サンドイッチを天高く掲げる。
それと同時に、頭に衝撃が。
「やめろ。すぐにそっちに持っていくな。」
「だからと言って、チョップしないでよ。
これ以上馬鹿になったらどうすんだよ。」
頭を自分で撫でながら、熱くなった気持ちを抑える。
「いや香織、そっちってそっちじゃないし。ただの友情ドラマだろ。」
「だから、フィクション、そっちに持っていくなってこと。」
「ごめんて。……じゃあ、この説は薄いとして。 じゃあそういうことじゃん。」
私は急いで残りのサンドイッチを口に放り込み、お茶で流した。
「プハァー。んじゃ、行ってくる。」
香りのため息を後ろに、優くんに話しかけながら駆け寄る。
「ねえ優くん、面白そうなドラマ見つけたんだけど。」
なんか話してたっぽいけど、優くんはすぐに振り向いた。
その顔は少し輝いて見えた。
(いや、可愛いかよ。)
「あ、菜緒さん。」
なんとなく居心地が悪くなったのか、彼は去っていった。
(よし、ミッションクリア)
そこからは、優くんのお弁当に内心涎を垂らしながら、次クールのドラマの話をした。
近距離でも画がもつ優くんは最強だと思った。