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ブリーディング日記(腐)  作者: 百澤舌莉
5/20

2日目(2)

開いていただき、心から感謝いたします。


 香織に取られていた視線をまた優くんに戻すと、眉間に皺を寄せてとても暑そうにしている。


 そんな時優くんは、さっきの人と同様に下敷きを取り出したりなんかしなかった。


 手で仰ぎ、それでは足りないと思ったのか襟部分を軽く掴みゆすった。


 そして一言。



「…あっつ。」



「あぁ…」


 クリティカルヒット。  やられた。


 つい吐息が漏れたのを香織は聞き逃さなかった。


「どうした。ついに夏バテか?」


「いや…そうじゃなくて。」


 否定して先程起きたことの一部始終を話す。


「暑い時って仰ぐじゃん。私たちってよく下敷きとかで仰いだり、服をバサバサやって仰ぐじゃん。でも優くんはね

 さっき、手で仰いで、それでも無理だと思ったんだろうねきっとね、襟を持ってパタパタって。バサバサじゃない

 の。パタパタなの。で、それで小さい声で一言。『あっつ』って!」


 息を吸う間も惜しいほど早口で訴える私。


 香織ならわかってくれる。



「さっき、少しでも菜緒に共感した私が馬鹿だったわ。」



 冷めた口調でそう告げた香織。


 もう姿が見えたくなってしまった優くん。



 お昼時だからだろうか。より一層、暑さが厳しくなった気がした。


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