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ブリーディング日記(腐)  作者: 百澤舌莉
3/20

1日目(2)

開いていただき、誠にありがとうございます。

「………は?」


 心の底から出たような低いトーンが香織の口から飛び出たけど、きっとこの考えは私にしか分からないのだからしょうがない。


 もうダメだ、という声が聞こえたような気がしたけど、そんなことは他所に、計画を立てよう。


 先ほども言ったが、基本的に干渉しないことが大切だ。


 優くん自身の良さを最大限活かすことがこの計画の肝なのだ。


 人の個性はそれぞれ違う。

 それを活かしてこそ、いいキャラが生まれるってもんだ。個性切ってしまっては、元の子もない。


 だから、干渉はしない、『導く』のだ。

 彼の路線がブレそうな時、私が正しい方へ導く。



 計画を立てると言っておいて、正直、どのような時に、どのように導けばいいのか分からない。


 しかし、私には経験がある。


 今まで、何作品ものアニメ、漫画、小説、etc…を見てきた。

 そして、もっとこうすればいいのに、という案もいくつも持っている。


 そうだ。


 私はこれで、優くんを正しく導いてみせる。



          〜      〜      〜



 なんとなく今日は、いつにも増して僕の名前を聞く気がする。

 それも、菜緒さんから。


 席が離れていて会話の内容はよく分からないけど、少しソワソワする。

 

 香織さんが呆れた顔をしているけど、僕の悪口ではないよね。



 菜緒さんと初めて会ったのは小学一年生の時。街に住んでいた僕は、父親の転勤でこの地に引っ越してきた。


 十六人という少ない人数に僕を入れて十七人。他のみんなは幼稚園からの友達らしくて、僕だけが孤立しているように感じていた。


 そんな時、この十六人のみんなは僕にとても話しかけてくれた。


 菜緒さんも例外ではなく、休み時間に一緒に遊んでくれた。

 たまたま、菜緒さんやあと何人かは高校まで一緒になった。


 この人たちがいるだけで、本当に心強い。


 だから今、嫌われたくない。


 何か嫌なことをしてしまっただろうか。

 僕は、朝のホームルームが始まるまで、今までの、そして最近の自分の行動についてよく振り返った。


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