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ブリーディング日記(腐)  作者: 百澤舌莉
2/20

1日目(1)

本編 開いていただき、誠にありがとうございます。

 今日から育成を始める。


 狙いを定めたのは小学校から高校まで一緒に勉強してきた佐々木優くん。


 高一だが、なんとも言えない、女顔負けのその綺麗なお顔は愛でるべきもの。

平均より高い私の身長より、少しほど低い背格好は、可愛いと言ったらありゃしない。


そして、それらをコンプレックスと思っている思考。ここまで詰め込まれたら、もう愛くるしいでしかない。

王道スパダリ攻めがいるのならば、彼は王道キャワ受けになれr ((((


 (咳払い)まあ、優くんの魅力はここら辺にしておいて。


 ブリーディングといっても、あまり干渉したくない。

全てを矯正してしまったら、彼の良さが殺されてしまう。


 そのため、私は見守りつつ、人格構成及び私の趣味の範囲外に出そうになるイベントが起こった時のみ修正し、正しいルートに導くのだ。


 フフッ、と笑っていると親友の香織が教室に入ってきた。


「おはよ。どうした、今日は一段とニヤニヤして。」


「よくぞ聞いてくれた。今日から私はプロジェクトを開始する。」


「プロジェクト?」


香織は不思議そうな、そして半分呆れ顔で自分の席、私の前の席に着いた。


 かくかくしかじか……プロジェクトについて説明すると、一言。


 「菜緒、ついに行くとこまで行ったね。」


全てを悟ったかのような、そして、疑いをかける眼差しでこちらを見つめる香織。

どうやら、私の頭がこの夏の暑さにやられたのではないかと疑っているらしい。

しかし、私はピンピンしている。


「夏バテかと思ったけど、むしろあんた、水を得た魚みたいね。いつも寝不足で常に半目なのに。

 そのことは散々聞いてきたよ。中学の時から言ってたよね、急にでしゃばるヒロインが嫌、とか、捻くれ者の主人公のアニメが急にハーレムになって最終回まで見れなかった、とかなんとか。」


中学校からの親友は私のことをよく知っているようだった。

彼女は続ける。


「私はアニメとか、漫画とかラノベ? とか、よくわかんないけど、それは二次元の話でしょ。

 三次元にその思考を持ってきちゃダメだって。」


生憎、親友には共感を得られなかったようだ。


「もし、それをやるとしてね。もし、優くんがダメ男になっちゃったらどうすんの?もし彼女とかできなくなったら……」


優くんが可哀想だと主張する香織。でも、そのケースも想定済み。


「そうなったら、私が養う。」


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