第5話 初めてのPVP 決着
三度目の正直や!
それと、19時頃に本日のプレビューが200を超えたで。
ありがとうな!
あと、予約投稿っての使ってみたで
忘れ物 β版の引き継ぎ特典
レベルとクラス以外の全部。アイテムやギルドなども引き継がれる
俺が様子を見ていると、サクマはまたなにかを取り出した。
あれは…紙飛行機!?
俺が警戒していると、なんと紙飛行機が燃えだした!
紙飛行機を避けて生まれた隙をみて、サクマが駆ける。
サクマはいつの間にか身長ほどもある棒を装備していた。
俺はダメージを食らうことを覚悟で、ヒールを掛けながら小太刀を振り下ろす。
棒は小太刀の衝撃を受け流して、そのまま俺に打撃を与えて…こない!?
そして『ヒール』が発動して…
バシン!
左肩に衝撃が襲ってきた。
コイツ、タイミングをずらしてきやがった!
なぜサクマが早めの『ヒール』を知っている?
迷う俺をサクマは待たない。
払い、払い、突き、膝への払い
完全に主導権を握られた俺は防戦一方だ。
佐久間の顔にさっきまでの軽薄そうな顔は無く、ただ狂気を感じる笑みが表れていた。
しかし、それ以上クリーンヒットは貰っていない。勝機はぜんぜん残ってる。
この小太刀がなぜか丈夫なのも助かった。
小太刀もいつまでもつかわからない。
俺は『ヒール』を掛けて身体で受け、小太刀へのダメージを少しでも減らす。
そうしてしばらく打ち合っていると、佐久間の体制が一瞬崩れた。
棒は小太刀に比べて大きな動作が必要になり、そのぶんスタミナを多く消費するのだ。
ポーションではHPは回復してもスタミナは戻らない。
「はぁ!」
俺はその一瞬を見て右腕を掴み、ボディに右回し蹴りを入れる。
サクマは棒を捨て、腕を振りほどいて距離を取る。
俺は『ヒール』を掛けながら、サクマがポーションを飲めないように警戒する。
これで形勢逆転だ!
カカッ!
もはや無言のサクマは、今度は手裏剣を投げてきた。(カクカクしたものではなく、箸のような形状をしている)
サクマの引き出しが多すぎる!
もちろん小太刀で受けるが、その間サクマは黒塗りの木刀を上段に構える。
あれとの打ち合いにこの小太刀では勝てない。そう感じた俺は小太刀を捨て、ボクシングのように構えた。
互いにジリジリと間合いを測る。俺はリーチの差で少し不利だ。
バッ!
しかし俺はあえて飛び込む!
サクマは木刀を振り下ろす。
俺はそれを横に避ける。チッ、左腕に掠っただけで体が持ってかれそうだ。
「うぉぉお…らぁ!」
野太い怒声とともに、俺はタックルをかます。
サクマは倒れた。
動かない。
…俺の勝利だ!
まわりの観客が沸き返る。俺やサクマを称賛する者、口笛を吹く者、賭けをしていたのか悔しそうな者、様々だ。
サクマはすぐに起き上がった。意識はあったようだ。
「タツさん。負けました…」
「気にすんなよ、俺だって危ないところがあったし、五分五分だったんじゃないか?」
「いえ、ボクは奇襲を重ねて五分でしたから。ボクの負けです」
「そうか…」
本人がそう思うのなら何も言えない。
少ししてサクマは立ち上がった。
さっきまでの顔は忘れたかのように、観客とリスナー達に話しかける。
「みんなごめん、負けちゃいました。」
「だけど、まずはウィナーのタツさんに惜しみない拍手を!」
サクマがそう言うと、観客たちはふたたび沸き返った。
なんだか少し恥ずかしいな。
「タツさん。賞金の1000クロスです!」
俺はありがたく受け取る。
「そうだサクマ」
「なんです?タツさん」
1つ聞きたいことがあった。
「なんで俺のヒールを知っていたんだ?」
「…あれ?もしかしてタツさん知らないですか?
タツさんってけっこう掲示板で騒がれていますよ」
そうか、掲示板に乗っていたのかー
「いやなんでだよ!」
「なんでだよってなんでです!?」
喧騒が収まった頃。サクマは飄々と言ってのけた。
「ではみなさん!これから、さきほどの武器と道具の説明と販売を行います。
武器はどれも数量限定、早いもの勝ちです!」
お、おい。まさかそれが目的だったのか!
確かに効果的だが。俺はまんまと商品のプロモーションに参加させられたことになる。…まあサクマとの勝負は楽しかったし、別に良いか。
結局小太刀1組と火のつく御札10枚、手裏剣3本を買った。
計1800クロス。宿を取るにはもう一狩りせねば!
今回のあとがきは色々あって長いです。
最後の終わり方について文句は受け付けません。
というか、なぜか戦闘シーンが膨らんだだけで、本来は小太刀を手に入れるだけの予定だったんです。
悪いのはこの右腕です
リュートの財布
+2000 初期資金
-1800 チョーカー購入
+1100 ゴブリンの角買い取り
- 51 昼飯(肉料理含む)
- 200 PVP参加料
+1000 PVP賞金
-1794 小太刀他購入
計245(クロス)
サクマ
<アイスクリーム>所属の生産者。小細工を入れるのが得意。β勢
外見:小柄で金髪茶色眼 少年に見えなくもない 軽薄そう
メインクラス:細工師
サブクラス1:ソードマン
サブクラス2:トレーダー
サクマ商店の武器解説
【火のつく御札】5枚セットで200クロス(微弱な魔力をカットするカバー付き)
魔力を込めた5秒後に火がつく御札。<アイスクリーム>の駆け出し魔術師たちが1枚々々手作りしている。
これの発動に必要な魔力ぐらいは誰でも持っている。
魔法を込めるには魔術師とエンチャンターをレベル5にする必要がある。また、クラスとしての魔術師はあくまで魔法を使う補助なので、属性魔法を使うにはサブクラスにその属性のメイジに就く必要がある。
魔法を使う1枚作るのに15ー30分かかる。
【棒手裏剣】1本98クロス
尖った方をもっと尖らせた箸のような棒。<アイスクリーム>の駆け出し木工職人たちが1本々々手作りしている。
少し練習が必要だが、携帯しやすくそこそこ刺さる。
【ワンタッチ棒ドントタッチミー】1本980クロス(1回分の魔石3個付き)
サクマ特製の傘のように伸ばせる棒。中に魔力込めることで折れにくくしている。魔石はスライムやゴーレムなど魔力で動くモンスターの多くが生成する。魔石も別途販売中で、値段は大きさと相談。例として1回分の物は3個入り18クロス
サクマのネーミングセンスは壊滅的だが、<アイスクリーム>では命名権は製作者にあるので、よほど問題がない限り文句を言えない。
【木製小太刀:比翼】1本600クロス
サクマの所属するギルドの木工職人が作った小太刀のシリーズ。
軽い桐にアルケミストの『硬化』を掛けることで軽くて丈夫な小太刀を実現した。
【木刀:無白】1本2400クロス
比翼と同じ製作者
重くて堅い樫にアルケミストの『圧縮』を掛けることで密度を高めた。本来は重装備の騎士などに持たせる物。密です