日曜午前の投稿はありません
【重要】本日付けで日曜午前はお休みにします
「ティナ、遠乗りに行こうぜ!」
「遠乗り?危なくない?」
「大丈夫だって。弓も持っていくし、街道沿いだから魔物はいるとしてもゴブリンぐらいだって」
「そう、安全ならいいけど。私はウィルが怪我するのは嫌だよ」
ウィルはせっかくのイケメンなんですから。
怪我をされては…いえ、むしろワイルドでいいですね。
「じゃあ行こう。…て、ウィル!お酒飲んだでしょ!」
「いや、飲んでない」
「じゃあなんで顔が赤いのよ」
ウィルの顔は真っ赤です。
「…ティナが可愛すぎるから」
「なんて言ったの?」
「いや、さっきまで訓練してたんだよ。それで顔が赤いんだ。もう平気だから、行こう」
そうですか…それならいいのですけれど。
二人は我が村の誇る駿馬セブン…の息子イレブンに乗って街道沿いを駆けます。
イレブンは馬力もスピードも申し分ないのですが、二人で乗るには狭いです。
前で操縦しているウィルの鼓動が伝わってきて、すごく…恥ずかしいです。
ウィルがこういう所を考えないのは昔から治りません。
特にモンスターなどもおらず村の西側にある高原までやってきました。
「わぁ!可愛らしい!」
高原に咲いていたのはたんぽぽでした。
「うん。可愛らしいよ」
ふふ、ウィルってばたんぽぽに話し掛けています。
「ティナ、はいこれ昨日のお返し」
「…ウィルって意外と手先が器用なんですね」
「意外とってなんだよ」
私の左手の薬指に嵌められたのは、たんぽぽで作った指輪です。
その日の夜。
「お父さん見て!」
「ティナ…その指輪どうしたんだ?」
「これね、ウィルに貰ったの!知ってる?親しい相手には左手の薬指に指輪を嵌めるんだって」
「あ、ああ…ティナ、明日ウィル君を連れてきなさい。話がある」
「あなた」
「…?」
なにやらいきり立つお父さんと、それを諌めるお母さんの左手の薬指には、やはり木製の指輪が嵌められていました。
やっぱり異性の親は過保護ですね(熱い偏見)