31・銀狼王
お久しぶりです。竜一です。
この頃少しずつ暑くなってきましたね。
ニコニコ超会議は生放送だけ見ましたが、素晴らしいものでした。
次は夏だ!
後、以前お騒がせにしてしまいました。
小説の情報欠損は連絡どうりなんとかなりました。
あれはガチで燃え尽きそうになった....恐ろしかった....
まあ、こんなダメダメな僕ですが、頑張っていきます。
今回はいつもより長めです。
次の日、レイ達は『北の大地』の深部を警戒しながら進んでいた。
頻繁に遭遇するホワイトウルフ(硬い毛に覆われている。防御型)に襲われ続けており、レイのレベルは19、ハクは18に上がっていた。
「そろそろボスエリアだよ。気を抜かないでね。」
「キュッ!」
すると遠くに赤く光る薄い膜のようなものが見えてきた。
それを視認すると、
『この先、ボスエリアとなります。エリア内でのログアウトは不可となっています。ボスエリアに誰かが入ると、30分間挑戦禁止となるので、ご注意ください。ボス討伐を完了すると、始まりの町ファーストへの転移門が出現します。』
とアナウンスがはいった。
「よし、ボス戦、頑張りますか!」
「キュッ!!!」
ボスエリア内は円形の草原になっていた。所々に木々や岩が転がっている。
その中央に強烈な存在感を放つ銀の大狼が座っていた。
名前とHPバーが表示され、それは立ち上がり_____
「グワオオオオオオオォォォォォォォォーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!」
その瞬間、違和感が襲い体が急に重くなる。
「何だ!」
「キッ!」
ハクもうまく動けなていないようだ。
「ちっ、はあっ!」
レイは違和感ごと【龍覇】で吹き飛ばす。
どうやら銀狼王が【咆哮】を媒介に魔力で動きを制限させていたようだ。
すぐさまハクが風属性を付与した【障壁・バリア】を張り、いつの間にか接近していた銀狼王の爪を阻む。
弾かれた衝撃で前足を浮かし、腹を晒した。
「ナイス、ハク! 抜刀術【激閃】!」
一閃、横凪ぎに繰り出された斬激は銀狼王の横腹に一本のダメージ痕を残した。
「ガアッツ!!!!!」
弱点ヒットエフェクトが光り、頭上に表示されているHPバーが1割ほど削れる。
「ちょっ、これだけ!?」
そのまま斬った勢いを殺さず、目の前に迫る銀尾を転がって避ける。
十分に距離をとり、振り返る。
「キャッ!」
「ガアッ!!!」
そこには暴れる銀狼王を必死に押さえるハクが見える。
「ハク、無理するなよ!」
ハクに無属性魔法【Intブースト】と光属性魔法【回復・ヒール】を、自分に【Str・Agiブースト】をかけて狼にダッシュする。
軽く跳躍し、斬りかかった。
「ガギンッ!!!!!」
「!? っ、かったぁ!」
掲示板の情報のように銀毛がとても固くなっているようだ。
絶華単体の力では、貫けていない。
「ならっ!」
ダアアアアアアッン!!!!!!!!
「ガアアアアアアアアアアアア!!!!!!!」
掌で魔力を高圧縮させ、光属性も込めた即席魔力爆弾が強い衝撃と閃光を発生させる。
『魔法【魔爆・マナボンバー】を取得しました。』
『魔法【光爆・ライトボンバー】を取得しました。』
レイはアナウンスを無視、態勢を調えるのに専念する。
爆発の衝撃をハクの【障壁・バリアー】と【空歩】で殺し、【神足】で加速する。
さらに魔力を周囲の空気にばらまいて干渉、強制的に追い風を発生させる。
『魔法【風送・テルウィンド】を取得しました。』
絶華に魔力を纏わせ、ハクに風属性、雷属性を付与してもらい、
「はッ!!!」
【Str・Agiブースト】全開で、
「刀術【真・雷斬】!!!」
『真』技は通常技より威力とクリティカル率、ノックバックが上がり強力だが、その分魔力と集中力、精神的体力を多く消費する。
バリバリと蒼い雷を纏う絶華は、目が眩み、衝撃でまた前足を空中にさまよわせた銀狼王に突き刺さった。
「バリッガガガガガガガガ!!!!」
蒼雷は銀狼王の肉を焼き、大きく腹を抉った。
「ガアアアアア!!!!!!」
「どっうだぁっ!!!」
下から上に斬り払ったレイはすぐさま離れようと【空歩】と【神足】を発動させようとするが、
「ガアアアアアアアアアアアア!!!!!」
「キュウーーーー!!!」
ガンッガンガガガガガガガ.....
極太の銀雨が降ってくる。
「ぐっ、いってぇ...貫通が強いとハクの魔法でも貫かれるか...」
ギリギリハクの防御が間に合うが、連続ヒットにより大きくHPを削られ、吹き飛ばされることになった。
【空歩】と圧縮空気のクッションで体制を調え、ハクの【障壁・バリアー】を踏んで大きく跳躍し、銀狼王から離れる。
『魔法【吸衝・エアクッション】を取得しました。』
『スキル解放条件を満たされました。スキルポイント10使って、スキル【神足】と【跳躍】を合成します。よろしいですか?』
「ん?ああ、Yes!」
『合成が完了しました。スキル【跳躍】が【神足】に統合、取得しました。』
「ガアアアア!!!!!」
「ヒュヒュヒュヒュン.....」
またも多くの銀槍が発射される。
横殴りの雨のように降り注ぐ。
それは一種の針地獄。
避けられない。避けられるはずがない。
«羽場 零»の特殊性を除けば。
「.....ちょっと無理すれば、行ける。」
レイは避ける。【神足】で避ける。【空歩】で避ける。絶華を叩きつけ逸らし避ける。銀槍の移動範囲を無理やり全て把握し、避ける。避ける。
色彩がどんどん色褪せていき、白と黒の世界が生まれる。
周りの音が高音になり、遂には聞こえなくなる。
自分の心臓の音が大きくゆっくりになる。
体がとても重い、
「まだ....行ける。」
体の感覚がなくなる。
でも、体は動く。
さっきより速く。
《俺に飛んでくるのは約53本中36本、間隔は約40センチ...》
もっと速く。
《目視で回避可能地点は...》
もっと、もっと速く。
《........もっとだ...まだいける...もっと、速く...!》
『スキル【超越】が発動しました。』
『スキル【超集中】を獲得しました。』
今、レイは極度の集中による、時間拡張を実現していた。
零は小さい時から頭の回転が速かった。
特に集中力と処理能力が超人級だった。
他の子供より大人びていた彼は次第に気配の消しかたを覚えた。
親に迷惑をかけないように、皆から異端さを不思議がられないように。
そうしていたら、物の気配が感覚でわかるようになった。
今の彼は逆に子供らしい。
が、時にそれは破られる。
己の真をさらけ出せる世界。
そこで零は思う存分やると決めていた。
この時間拡張は脳に負荷がとてもかかる。
それは(情報処理が異常な)レイであっても変わらない。
ゆえに、
「ッ!ぐぅっ!」
ズキンと頭に痛みがはしる。
途端に色が音も銀槍のスピードも戻る。
同時に体と頭を怠さが出てくる。
しかし__________
「射程内っだ!」
銀狼は予想外な速度で接近され、まだ反応しきれてなかった。
「くらえっ..抜刀術【轟突】!」
それは、白いレーザーのように銀狼に突き刺さり、爆音と共に両者を吹き飛ばした。
レイは爆発の影響で少量ながらもHPを削られたが、爆心地(己に刺さった刀)にいた銀狼は少量で済むはずがなく_________
フィールドボスのHPは半分を切った。
皆さんはゴールデンウィークに何しましたか?
僕は祖父の家に行くくらいでしたね。




