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異世界-冒険者-

食事を終えた俺とエルは自分達の部屋に戻る。勿論手を繋いでだ。もう、ここまで来ると他人の視線にも慣れたもんだ。特に気にならないようになっていた。まぁ、これがいい事なのかどうかは謎だけど...。部屋に戻るとエルは手を離してベットにダイブする。しかし、俺のベットに...。

「何してんだ?お前は...」

「このベット淳二さんの匂いがして落ち着きます!」

急にこいつは何を言い出すんだ!

「俺ってそんな臭う?」

「いや、臭くないんですけどその人独特の匂いというか...分かります?」

「あぁ、分かるけど」

-要はあれだろ友達の家に行った時自分の家とは匂いが違うその人ならではの匂いということだろ-

「それで、ダイブしたと?」

「はい......駄目でした?」

俺の枕をお腹で抱えウルッとした瞳で見つめてくるエル。やばい!反則級に可愛い!

-俺の理性よ!何とか持ってくれ!-

「......駄目ではないけど...」

「そうですか!じゃあ遠慮なく」

そう言うとエルは俺の枕に顔を埋める。エルの綺麗な足が見え派手な下着も見えそうになっていて目のやり場に困る。

「はぁ~淳二さんを感じます...」

-やめろ!あんまり感じるとか言うな!-

「...てか、シャワー浴びてこいよ...一日中歩き疲れたろ?汗もかいただろうし」

「そうですね!お風呂に行ってきます!...覗いたら駄目ですよ?」

「はいはい」

「...覗くくらいなら言ってくれれば...せ...す」

「ん?なんか言ったか?」

「い、いえ!なにも!」

そう言ってそそくさと脱衣所に向かうエル。今回はしっかり着替えを持って行ったが顔を赤くして行ってしまった。しばらくすると風呂場からシャワーの音が聞こえてくる。

「はぁ~」

ため息と共に顔が赤くなっているのが分かる。

「あいつ全部聞こえてるっての...」

実はさっきエルが小さな声で言っていることは全部聞こえていたのである。

(...覗くくらいなら言ってくれれば見せます)

「いやー流石にあれは反則だろマジであいつ俺のこと信用しすぎだって俺も男なんだから少しは警戒してほしい」

とにかくエルが出てくる前にこの顔をどうにかしないといけないので気分を落ち着かせるために状況を整理する。

俺とエルは俺の両親と妹を探している。

両親と妹がいそうなのはナタリア、ヴァストリア、ジルリアの3つ。

そして、1番近いヴァストリアに向かう。

ヴァストリアまでの道は危険な魔物が多く出るらしいので冒険者やらを雇った方が得策。

「とりあえず明日は冒険者を雇いに行くか。冒険者が集まる集会みたいな所があればいいんだけど...よし!アーシャにでも聞いてくるか」

そして、俺は玄関まで降りる。すると、食堂から大声が聞こえてきた。

「やめてください!」

「あ?いいだろ?別に減りもんじゃねぇんだし!」

この声はアーシャとあと一人は誰だ?男みたいだが。食堂に向かうとアーシャが3人のガラの悪い男達に囲まれ手を捕まれていた。周りの人達はそれを見て見ぬふりするだけだ。キッチンを見るがミーヤの姿は見当たらない。

「やめてください!他のお客様の迷惑です!離してください」

「だから?俺たちは冒険者だぞ?お前らのために外で魔物を狩ってこの街の平和を守ってやってるんだから感謝しろよ」

どうやらあの男達は冒険者のようだ。

「それに俺達もお客さんだろ?お前よく見たら可愛いじゃねぇか?お前今日俺たちの部屋に来い」

「は!?嫌です!」

なんとか、男達から逃げ出そうとするアーシャだが男達の方が何倍も力が強いため逃げられない。

「はぁー分かってねぇなぁ!お前に拒否権はねぇんだよ!」

そう言って男は懐から小さなナイフを出しアーシャの服を破り捨てる。破かれた箇所からアーシャの白い肌が露出している。

「!?何するんですか!やめてください!」

顔を赤くして抵抗するアーシャ。だが、それが逆効果で男達は1層楽しそうに笑う。

「よし!お前はこのまま部屋に連れていく。色々奉仕してもらおうかな」

「いや!誰か!誰か助けて!!!!!」

周りの人達はまだ見て見ぬふりを続ける。結局はここもあっちと変わらないのかだったら...

「おい!」

「あ?誰だテメェ?」

「ここの宿に泊まってる者だが」

「そんな奴が俺になんか用か?」

「その子の手を離せよ」

「は?ハッハハハ!」

男達は揃って大笑いする。

「お前おもしれぇな!どうやら俺達がなにか分かってねぇようだな!」

「は?冒険者だろ?分かってるよ」

「!?ハハハハハハ!お前ホントの馬鹿だな!分かってるのに俺たちの邪魔すんのか?見たとこお前は冒険者でもないだろ?」

「そうだが」

「じゃあどけよ!お前の相手してる暇はないんだよ!」

苛立ちを見せる男達。

「どいてやるさお前がアーシャから手を離せばな!」

「チッ!このクソガキが!調子にのんなよ!そう言って男のひとりが俺に殴りかかってくる」

-丁度いいや。これを試してみるか-

俺は昼に買った剣を鞘に収めたまま魔力を込める。すると俺の身体能力が倍増されるのが分かる。

「よっと!」

俺は男の拳を軽く避けて隙だらけの体に蹴りを入れる。

「おりゃ!」

「ぐぁ!」

男は食堂の壁に突き当たり気絶する。

「チッ!よくもやってくれたな!」

そう言って2人目の男が殴りかかってくるので今度はその拳を片手で受け止めてみせる。

「こんなもんか?」

「ッ!調子にのんなよ!クソが!」

そう言って俺の顔をめがけ足を上げるがその足も俺は左腕で受け止める。そして俺はそいつの手首と胸ぐらをつかみ思いっきり投げて地面に叩き付ける。

「うぉっ!」

そう言って男は気絶する。

「さて?お仲間さんはおねんねしてるけど?どうする?アーシャの手を離す?それとも、俺が話させた方がいい?」

「図に乗るなよ!雑魚が!そいつらは所詮俺の手下だ!雑魚を倒したくらいでつけあがるのも大概にしろよ!」

そう言ってアーシャを突き飛ばして背中の大剣を掴む男。

「気をつけてください。その男は冒険者の中でもシルバーランクの人です!」

アーシャが警告してくれるがこの世界の仕組みにまだそこまで詳しくない俺はシルバーランク?何それという感じだ。でも、こいつは気に食わないのでボコす!

「わかんねぇーけどとりあえずこいつを倒せばいいだろ?」

そう言って俺は鞘から出した剣にさらに魔力を込める。するとさっきまでとは比べ物にならないくらい身体能力が上がる。

「うおぉぉ!」

そう言って大剣を振りかざしてくる男。確かにさっきの男達とは比べ物にならないほど早い!しかし...

「遅せぇよ!」

今の俺の敵ではない。俺は男の大剣を俺の片手剣で受けとめる。

「なに!?」

明らかに動揺する男。

「クソが!」

そう言ってまた、大剣を振りかざしてくる。そこで俺は男の大剣を俺の剣で思いっきり切る。刹那俺の剣が男の大剣を真っ二つに叩き切る。

「...なんだと...」

俺は驚いている男の横腹に全力の蹴りを入れる。男は食堂のキッチンまで飛ばされ気絶する。ちょっとやりすぎたかな?そう思いながら俺はアーシャの元に駆け寄る。

「大丈夫か?」

俺の差し伸べた手を取り立ち上がるアーシャ。

「...はい......大丈夫です...」

呆然としているアーシャ。何故だろう?

「とりあえずこれ着とけ今のままじゃ色々アウトだろ?」

そう言って俺の羽織っていたフードを被せる。

「ありがとうございます...」

?なんでこんなに顔赤いんだ?やっぱ恥ずかしかったのかな?

「大丈夫だ!もうあいつらは気絶してるよ」

そう言って俺は驚いているアーシャの頭をポンポンと撫でる。するとさっきよりもアーシャの顔が赤くなる。

「ただいま!悪かったね!遅くなってって!なにこれ!どうなってるんだい!」

どうやらミーヤは買い物に行っていたらしい。そこから、俺とアーシャで状況を説明して謝ったが「娘を救ってくれたのだからむしろ感謝したいくらいだ」と言われすぐに許してくれた。しかし、その後もアーシャは俺を避けているのか目が合うとすぐに逸らしてしまった。その様子を見ていたミーヤはニヤニヤと笑っていた。俺は当初の目的など忘れて部屋に戻った。

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