異世界-告白-
朝部屋を出るてチェックアウトするとアーシャとミーヤはニヤニヤ笑っていた。
「昨夜はお楽しみかい?」
「昨夜はどうでした?」
さては、こいつら聞いてたな...
エルは昨日のことを思い出してか顔が赤くなる。
「うるせぇ!...あと、連泊するから今日も頼む」
「あいよー」
「昨日は来る時間が遅かったから夕食の時間終わってたけど今日は私が美味しい料理準備するから期待しといてね!」
「あぁ期待しとく」
「はい。期待してます」
そう言って俺たちは宿を出た。
「淳二さん今日は何をするんですか?」
「とりあえず武器かなーこっからヴァストリアに行くまでに魔物と会うかもしれないし」
「そうですね。ヴァストリアまでの道は魔物が多く住む地帯を通らなければならないので」
「そう言えば魔法も使えるんだっけ?この世界」
「はい。そうです。と言っても元から魔力がない者や少ないものはつかえないんですが...」
「俺はどうなんだ?」
エルの顔が急にパッと明るくなる。
「それがですね!元からかなり多いんですよ!」
「お、おぉそうなのか...?」
「はい!これは凄いですよ!この世界でもトップクラスの魔力です!」
「エルはどうなんだ?」
「...私は女神の力を失ったのでそんなに魔力はないです。平均以下と言った所でしょうか」
「そうなのか...でも魔法を使える程度にはあるんだな」
「はい。元から回復系の魔法が得意な女神だったので」
「そりゃそうか、転生なんて神業する女神なんだから...」
俺は苦笑いしながら言う。
「それで、その...ずっと思ってたんですが...」
「?どうした?」
いきなり俯くエル。
「私たちってどういう関係なのかなーって」
確かに互いが好き同士という事は分かったが結局そのあと俺からの告白はしてないし関係性は未だはっきりしない。
「そうだな...じゃあ、改めて俺から告白するぞ!」
「え!?あ、はい!」
まっすぐ俺を見つめるエル。そんなに見つめられると返って言いにくいのだが。
「えっと...うーん...俺と...俺と結婚を前提に付き合ってください!!!」
俺はエルに右手を差し伸べる。その右手をエルはとった。
「は、はい!こちらこそよろしくお願いします」
パチパチパチ!拍手が辺りから聞こえる。
「おめでとう!」
「ヒュー!熱いね~」
「くぅ~羨ましいね!」
そういえばここは街中だったことに気づく。俺とエルは顔を真っ赤にした。そして、互いに見つめあって笑った。