異世界-準備-
エルがシャワーを浴びている間に俺は服を買いに行くことにした。流石に同じ服を着させるわけにはいかないだろ。
「そういってもなぁー。服とか興味ないからわかんないんだよなぁー。てか、よく考えたら下着も.....」
-いかん！いかん！あの時のエルの裸体が...-
「ここでいいかな？」
俺はランジェリーショプらしき所に入った。
「これって男一人だと完璧に変態だよなぁ～」
そう言っいると店員が話しかけてきた。
「なにかお探しですか？」
大きな瞳、長くて綺麗な白髪、顔立ちも整っていてとても可愛らしい。そして何より気になるのがその頭部から生えたふさふさしてる大きな犬耳だ。
「あ、すいません。えーと連れの女の子の下着を探してて」
「？連れ？近くにそれらしき人は見当たりませんが...？」
店員に少し不審がられる。
「それはですね、今宿で丁度シャワー浴びてるんですけど着替えがないことに気づいたので服と下着を買いに来たんです」
「そうですか」
そう言うと店員はすぐ納得してくれた。
「因みにその連れという方は彼女さんですか？」
「あぁ、いやそんなんじゃないんですよ」
「そうなんですか？下着を選びに来るくらいだからてっきり彼女さんかなにかだと」
「まぁ普通そう思いますよね...」
「良かったらおすすめのものを持ってきましょうか？少し値は張りますがよろしいでしょうか？」
「あぁ、そこはあまり気にしなくて大丈夫です」
俺は所持金の中から1000万だけ持ってきているが表のものを見た感じそこまで高いものはなさそうなのでそう答えた。
「何か色などの指定はありますか？」
色か...エルに似合いそうな色...
「水色と白のものを2点ずつくらいお願いします」
「了解しました。少々お待ちください」
そう言って店員は奥に消えてしまう。数分後戻ってきた店員の手には少し派手なデザインのものが1組ずつと普通のデザインのものが1組ずつあった。
「こちらとこちらです」
「そっちのやつちょっと派手すぎません？」
「何言ってるんですか！これを着た彼女さんを想像してみてくださいよ」
「いや、だから彼女じゃないんですけど...」
そんなことを言いながらも想像してしまう。
「.....どっちもください...」
「わかりました！4点で4万ジルになります」
俺はお金を払ってランジェリーショプを後にした。
その後俺は自分の下着と服を買い。エルの服も買って宿に戻った。
「ただいまー」
部屋に戻ってくると風呂場から声がした。
「あのーすいません！私服がないことに今気づいたんですけど！これはやっぱりそういう事をするために計画的にしてるってことですか.....？」
「違うわ!!!ちょっと待ってろ今服持ってくから。脱衣所には出てくるなよ！」
「え？わかりました。ありがとうございます」
そう言って俺は脱衣所に服を持っていきおいた。
「もういいぞ」
「ありがとうございます。...え！？なんですかこの派手な下着は！？これってやっぱりそういう事ですか！？」
こればかりは言い訳が思いつかない。これこそ能力を使って決めるべきだった...
「それは.....その...あれだ！店員に激しく勧められて仕方なく...」
「そうだったんですか。それなら仕方ないですね...」
-すいません！嘘です！ちょっと見てみたいなと思っちゃいました！-
「あぁまぁ、似合うとは思うぞ...」
「そ、そ、そうですか？」
なんか、余計なことを言ってしまった気が...すると、脱衣所からガチャという音が聞こえた。
「次は俺が風呂入るぞってお前！？！？なんて格好で出てきてんだよ！」
そこにはさっき買った白の派手な下着を来たエルが出てきた。
「...淳二さん...似合いますか.....？」
顔を真っ赤にして恥ずかしそうに聞くエル。
「いや、似合ってるぞってそんなことより早く服を着ろ!!!!!」
「...そうですか...似合ってますか...」
さっきより赤くなった気がするエルはニヤニヤしながら脱衣所に戻って行った。
「何してんだよあいつ...」
俺の心臓はまだドキドキしたままだ。
