異世界-宿泊同室?
「結局ここでいいんですか?」
「あぁ、ここなら問題ない」
俺は殴られた右の頬を擦りながら言う。
-こいつ、女神だったくせに物理攻撃強くない?ゴブリン倒せたんじゃない?-
そんなことを思いながら宿に入る。
「いらっしゃい!にーちゃん!」
「いらっしゃいませ!宿泊でしょうか?」
宿に入ると宿主であろう金髪の美しい女性とその娘?のような同じ色の髪をした美しい少女が出迎えてくれた。
「はい。宿泊したいのですがいくらでしょうか?」
「3食付きで1泊2000ジルだよ」
「?ジル?エルジルってのがここの通貨なのか?」
「はい。この世界の通過はジルということになっています。因みに私たちの今の所持金は1億ジルですね」
「1億ジル!?!?」
宿主の女性が驚く。
「エル1億ジルってそんなにすごいのか?」
「まぁ、この世界の物価はかなり安いですしね。贅沢しても多分淳二さんが死ぬまで無くならないかと」
「へぇーそんなもんか」
「え?反応薄くないかい?にーちゃん!」
「お母さんこの人凄い大金持ちだよ!隣の奥さんも綺麗だし!」
なんだか少し勘違いされてるようだ。
「えーととりあえず1泊でお願いします。必要ならまた連泊するのであと、こいつは連れであって妻ではないですよ」
「あ、そうなんですか」
「.....そこまで.....否定しなくても.....」
?何故か拗ねるエル。何故だろう?
「てことは、2人とも部屋は別々でいいかい?その分お金はかかるってそこは心配いらないかね?」
「うーんいや、同室でお願いします」
「え!?なんでですか?」
「いや、2人の方が安全だろ?」
「キャー!2人の方が安全だろ?だってお母さん!これは「俺がお前を傷つけるもの全てから包み込んで守ってやるよ!もちろん夜もな」ってことだよ!」
なんか、変なスイッチが入ったようだ。
「いや、もしかしたら上下関係で「やめてください!ご主人様!」「あ?そんな口答えするやつにはお仕置きが必要だな...口を閉じてろ」「おや?下の口がおしゃべりだな俺が閉じてやるよ」てことよ」
あ、こっちの方が危険だ。横を見るとみるみる赤くなるエル。
「そ、そ、そんなことはしません!淳二さんは!...しませんよね?...」
瞳をうるうるさせながら上目遣いで見つめるエル。こいつしませんとか言いながらちょっと疑ってるな。
「しねぇーよ!てことでとりあえず2人部屋でお願いします」
「あいよ!私はここの宿主をしてるミーヤだ。でこっちが私の娘の」
「アーシャです。歳は12です!因みにお母さんの歳はさんじゅ...んー」
「アーシャ余計な事言ってないで早くお客さんを部屋に案内しなさい。あと、後で話があるから厨房まで来なさい」
この見た目で30過ぎてるのか...全然見えないな...
「...はい...では、こちらです...」
あからさまにテンションが下がるアーシャ。
「ここの部屋を使ってください。鍵はこちらです。何か困ったことや気になることがあったら机の上に置いてある魔道具でお知らせください。では、ごゆっくり」
最後のごゆっくりと言った時微かに笑っていたような気がするが気のせいだろう。