LXXⅥ 卍 ホワイトデーだったしおっさんの話をしよう 卍
マックス・フォン・シドーの訃報が届いた。享年93歳。
筆者が生まれたころ彼はすでに【エクソシスト】でお爺さん神父の役を演ってたはずだが、あのときまだ40代だったんすね……
たしかに8年後【フラッシュゴードン】のミン皇帝を演じてたときは、もうチョイ若々しかった。若くして【偉大な生涯の物語】でイエス・キリストを演じたものの、アカデミーには縁がなかった。つい最近だとSWepⅦと【ゲームオブスローンズ】に立て続けに(ちょい役で)出ていた。【DUNE 砂の惑星】からゲースロまで一貫して白いヒゲ生やした賢そうなお爺さん役だった。
なんでも出演しちゃう俳優ベストⅢと言えば、マック・フォン・シドーとマイケル・ケイン、そしてベン・キングスレーでしょう。それこそ主役でも脇役でも、超一流からアメコミ映画、SW、B級ホラー映画まで役を選ばない。
マックス・フォン・シドーはスウェーデン出身だけどあとのふたりはイギリス人なので、出演料がリーズナブルなのだと思われ。だって稼いでもほとんど税金でもってかれちゃうから、あえて出演料を上げないんじゃないかな……
そんなわけで悪のラスボスにイギリス人が多いのは、作品に格調を与え引き締めるにふさわしい演技力を比較的安く入手できるから。最近だとシガニー・ウィーバーもその座に収まり、CIAの黒幕とかそんな役ばかり演じている。
実写映画のたいへんなところって、なんでも人間がいないと成立しないところだと思う。たとえば爆発で死んだボロ雑巾みたいな死体役。たった0.1秒しか写らなくても俳優が必要だ。アニメなら根気よく絵を描けば済むけどモブシーンには大勢の端役が必要なのだ。みんなそんなところから這い上がってくる。
リーアム・ニーソンは20代には【銀河伝説クルール】の主人公の取り巻きA役だった。【シンドラーのリスト】で大抜擢されても、その後なかなか役が着かなかった。スピルバーグが起用する役者ってたいがいアクが強すぎなんよね。【ジョーズ】のリチャード・ドレイファスなんて「全米一うざい役者」って評判だったのだ。それから【張り込み】という映画でひげをたくわえ印象がソフトになるまで苦労した。リーアム・ニーソンもブレイクしたのはSWepⅠのクワイ・ガン役以降。
30代後半~50歳でやっと開花した役者は大勢いる。サミュエル・L・ジャクソンやロバート・ダウニーJr、若いころ【アタックオブキラートマト】に出ていたジョージ・クルーニー等々…… ブレイクできるかどうかは本人の実力も大切だが半分くらいは運次第である。 そのへんは小説家になろうと似ている。
ものスゲー適当なヲチでどーもスンマセン。