LXXI 卍 わたしは誰? 卍
最近の海外ドラマや洋画で80%くらいの確率で登場するフレーズ。
Who am I (わたしはなんなの) あるいはWho I am(わたしはわたしだ(?))
LGBTQだかMeeToだか以来。世界に「わたし」を積極アピールしよう、という動きは欧米で盛んになってます。アメリカはとくに9.11以来、そこいらの街の警官や消防士をヒーローとするのが盛んになって、「警察24時」みたいなリアリティーショーで事件に対処した本人にインタビューして語らせたりする。ドラマの内容もそれに呼応して、たとえばヒロインは金髪美人は採用されなくなったり、自閉症キャラが登場したり、果ては『THIS IS US』みたいに等身大の市民が主役のドラマまで登場した。SNSもその風潮を押して、今やアメリカ人は誰もが「わたしが主役」感覚である。
まあ没個人な平均的日本人のわたしはちょっとついて行けんのですけれど、 我が国でも底辺で苦労してるひとに多少光が当てられるようになったかな……。というか虐待児童の報道なんか見るに、スポットを当ててみたらぜんぜん受け皿がちゃんとしてなかった、と判明したのが現状でしょうが。
フツーの人が積極的に自我の存在感を表明する動きは、日本にもあるのかな?と振り返ってみると……
ここなろうにもありました。
最近エッセイで頻繁に見かけますでしょ。やれレビューの書きかたが気に食わん、とか1:1評価はモチベ下がるとか、感想欄は議論の場じゃないから批評はやめろとか。以前より攻撃的になってる。明らかに、作者のエゴが前面に出てますよね。
見たところイメージ通りの自分になれない原因を外側……自分以外に求めている。
謙虚さには程遠い。
それに線が細すぎですやろ。めっさ打たれ弱い。
個人なんて洋の東西を問わず似たようなもんだとすると、そこいら辺に「わたしが主役」という風潮のネガティブな面が垣間見えるだろう。メンタルをろくに鍛えてないのに、覚悟もなく、エゴだけは肥大したお子ちゃまたち。世界にヒーローなんて万に一人もいないのに、それを100人に一人、10人に一人とかさ上げしようとして、そのムリが生じている。
もっと自分を殺せ、とは言わないが、エゴの衝突でギスギスするのも事実。なろうユーザーの皆さんは今それを実地で学習してるのかもしれないけどね。なんでも「自己流」でわたしが一番えらい、反論するヤツはくそ!って態度はけっこうしんどいで。