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LXⅧ 卍 インタビューで笑うおばちゃんたち 卍


 むかしはね、街頭インタビューされて、含み笑いで応じるおばちゃんが嫌いだったんですよ。けっこう事件性の高い事柄について尋ねられてもニタニタ、カラカラとなに笑ってんだよ、という。

 まあじっさいは、いきなり「公共的」な状況に放り込まれたら、誰だってはにかむしかないんだけど。いわば自己防御本能というか。


 だが世の中がどれほど陰惨になったか測る指標は、あのおばちゃんの笑顔が消えたときなのではないか?

 たとえば大昔、たすき掛けのおばちゃんたちが「欲しがりません、勝つまでは」なんて言ってたときのような?

 最近はそんなふうに考え直してます。


 小生SF者のはしくれなので、社会の変化には 敏☆感 です。


 たとえば今後20年以内に無くなるものを考えたりします。候補は


 ガソリン車


 地上波放送(無料のテレビ)


 一億総おたく状態


 このうちもっともはやく実現しそうで、もし実現したら社会が今より陰湿化しているだろう、と思えるのが一億総おたくの終焉。

 そんなことはないでしょ?という人は人間の闇を理解しなさ過ぎ。

 もうすでにグレタ・トゥーンベリという雛形が生まれてる。あそこまで極端ではなくとも、いま現在の弛緩した社会に不満を燻らせている若い人は、結構いると思う。しかもそれは最初の一押しに過ぎない。

 わたしがなんでおたく趣味の継続に悩んでいるのか、70歳くらいで死にたいと思ってるのかにも関わることだが


 いつかそのうちに、同好の士と思ってたヤツから 「おまえまだやってんの?」 って言葉を投げつけられるはずだからだ。


 そんなことはない! と信じたいのは分かる。だが同調圧力に屈してしまうのが人間だ。そしてどんなときにも「イチ抜~けた」と立場を鞍替えしてマウント取りたがるのも人間。おたくに限らずライトユーザーというのはきわめて軽薄な人種なのである。一億総おたくの大半がライトオタのはずだから、そいつらは潜在的離反組と見なすべき。

 それに「悪徳」としては、おたくをやめるのはとても簡単なのだ。思い返してほしい。禁煙に成功した人間がえらく高飛車に煙草愛好者を攻撃するケースを。あんなふうに叩かれたら、比較的簡単にやめられることなら誰だってあっさり放り出しますって。


 社会の風圧はそれだけではなかろう。

 日本にグレタのコピーが増えたらどうなるか。若くて、ファッションオタから氷河期世代までを「日本をダメにした奴ら」と見なす子たちです。

 コミケ会場のテロ、あるいはラブライバーのリンチ、そんな事件が起こり始めたらハッキリした指標となるでしょう。あの京アニ放火事件の際にも、アニメ好きに嘲笑を浴びせる奴がいたくらいですからね。


 そんなふうになったら、市井のおじちゃんおばちゃんたちも素早く迎合するでしょうね。だって若い人に蔑まれることに恐怖しますから。自宅警備員の世話に疲れたお母さんたちが強硬派に鞍替えするのは言うまでもありません。

 それこそが、おばちゃんの微笑が消えるとき。

 今後数年でキビシイ世の中になる可能性は、あるんです。


 そんなふうに、一億総おたく状態の次に来るのは、ガチガチの綱紀粛正でしょう。

 いまの日本人がそんなにバカではないと思いたいけれど、哀しいかなおれたちアジア人だからね~……自由意志に対する認識は欧米に比べたら蟻んこレベルだから、簡単に手放してしまうんです。事実、災害レベルでもない日常のつまらない事柄に「政府の対応を」「議会で規制してもらわねば」て言い出す奴ら、多いでしょう?躾で済むはずの問題でも。



 じっさい安倍首相をはじめとして「親学」(おやがく)の信奉者たちは、教育勅語の復活など、ちょっと信じられない時代錯誤な「理想」と掲げている。 社会の上のほうに時間を巻き戻したがってる連中がいるんだから、これはもう余程しっかり気を持たないと実現すると思ってたほうが良かろう。


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