Ⅴ 卍 ひんこん 卍
あるエッセイを読んで【ドン・キホーテ】について検索してみたら、【ドンキ大宮】とか店舗情報ばっかりやんけww
艦船について検索すると出てくるのは女の子の絵ばかりだし(それをガイジンに指摘されて初めておかしいと気付く……いや喜んでただけでしたっけか)……あ、【艦これ】ディスッてるわけじゃなので念のため。
とにかく潔く認めるしかなかろう。
日本は文化貧困国なのだ(言い切っちゃったよ)
マーチン・スコセッシかコッポラあたりが黒沢映画や【東京物語】とかを褒めると、スゴイ喜ぶでしょう。でもたいていの日本人はそんな映画観ません。【秋刀魚の味】や【七人の侍】を金ローで放送したりしませんよね?
なのに他愛のないリップサービスにいい気になって、映画通でもないかぎり、なんで褒めてるのか知ろうともしない。
明確な関連はないけどむかしこんなことがあった。
おれ 「なあすげえぞ聞いて聞いて、宇宙の膨張速度って遅くなるんじゃなくて加速してるんだってよ!しかもそれ謎のエネルギーが働いてるんだって!」
後輩E 「ああ、そういうもんスよ」
……………………
断っておくが後輩Eくんが最新宇宙論に精通しているはずはなかった。
デザイン専門卒のキン消しオタ。週刊プレイボーイの超人デザインコンテストで「イリューヒン」デザインしたのは彼さ。個人情報バラしてごめん。
ともかくこの事件()にわたしは大ショックを受けたのだ。
だって……「謎のエネルギー」ですよ。しかもダークエナジーとダークマターとふたつも。
それが本当に存在してるんですよ?
ビムラーやゲッター線が実在してるって言ってるようなもんだで!?
嬉しくないの?
ちょっとはスゴイと思わないの……?
まあ彼はめんどくさい議論に付き合いたくなかった、という可能性はあるが、けどけど、釈然としなかったですわ……
そのことで僕ぁずいぶん長いこと悶々としましたね。
それで結論したのは、日本人の多くは理論を飛び越えさしたる根拠もなく「それはそういうもん」と割り切ってしまうちからがヒジョーに高い、ということ。
SFが流行らないわけです……
これはまったく褒められるべきことではなく、おそらく【火の鳥】あたりを読んでやすい達観に至っているだけじゃないでしょうか。それである種の知的好奇心が壊滅的に欠如している。
これは各国の検索ワード比較でも示されたように、明確です。
海外SFに触れて、「あーあガイジンは分かってねえなあ」とやれやれした経験に心当たりのあるかたもいましょう。わたしもたびたびそう思いましたが……その「おれらはわかってる」は「気がする」だけではあーりませんか?
「最新量子論を突き詰めれば突き詰めるほど、仏教的な枠組みに近づいてゆく」
なんて言われて「エヘン」と胸張ってはいけません。
ですがそのことをガ――――――ッとまくし立てても野暮天と思われるだけだし、ヘタすると老害扱いされてしまうので、なんともしがたい現状。
だからさ……とりあえず、SF読もうね。
ね?