ⅩLⅢ 卍 言霊 卍
純粋に不思議なのが、あの女性器を表す卑語……ひらがな3文字ないし4文字のアレです。
記憶を探ってみても、誰に教えられたでもない。なのに小学4年生ごろには、『言ってはイケナイ言葉』として認識できていたと思う。なにを差した言葉なのかも理解できていた。言葉が本質を表している良い(?)例である。
そういう『名が体を成す』的な言葉ってありますよね。
英語で言うなら「カント」であるが、さらに不思議なことにそれは日本語版とほぼ同じニュアンスなのだ。ダークファンタジイ作家ジョナサン・キャロルの著書では、主人公が小学生時代にその言葉を背徳感にドキドキしつつ語感を味わう場面がある。【羊たちの沈黙】でもジョディ・フォスターに「カントの匂いがする」と囚人が言うシーンがあるけど、あれはアメリカでは堂々ま○○と言っちゃてるに等しい、衝撃シーンなのだ。
だからといって性的な言葉のすべてが日本語と英語で共通というわけではないのよね~。
「セックス」は日本では生々しく響くけど、英語では「性」あるいは「性別」というだけの場合もある……もちろん「セックスしようよ」という使い方もあるけど、より生々しい表現は「ファックしようぜ」である。
これがまたややこしい言葉で、英語圏でいわゆる4文字言葉は絶対的に放送禁止であるばかりでなく、バイブルベルトと呼ばれる信仰の篤い地域では日常会話でも使ってはいけない。
地上波、全年齢向け映画でも使わないので【スターウォーズ】やディズニー映画ではいっさいセリフに無い。
それなのに、アクション映画とか現代映画ではしばしば「ファッキン○○シェット!」と連呼してる。ハードロックの歌詞なんて半分くらい「マザファッカ」だし……
このへんのTPOが日本人にはついぞ理解不能で、かつてゴルフの丸山がインタビューでファッション的に使って大顰蹙を買ったりした。わたしのいとこもイギリス留学中にホームステイ先でその言葉を使い、一発アウトで追い出されました(笑)
そういう文化的に決定的な違いがある反面、まったく偶然の一致で同じ意味の言葉もあったり……ネットですぐ出てくるのは「グッバイ」と「ばいばい」、「タイフーン」と「台風」など……言語には言語の壁を越えて共通認識できるなにかがある。
話を元に戻すと、最近では『オタク』
『オタク』とはまさしくオタクを差す言葉以外のなにものでもなく、1982年ごろ誕生したその瞬間からオタクという人種を差別する言葉として定着した。
いちど聞いただけで直感的に「あの人たちを差す差別語」と理解できて、ほかに言い換えることが出来ないという意味でパワーワードであり、21世紀を迎えてややマイルド化しつつも、当のオタク……一部、たとえば(自分以外の)オタクを嫌悪しているオタクなどが『イキリオタク』というように改良して、いまだに差別的に使用している。
こういう単なる文字の羅列が、必要以上に有意味化してるケースが不思議です。
真面目なこと書くと死ぬ病気なのでこのへんでやめとく。
どこが真面目なんだ!?というツッコミはさておき。