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ⅩⅩⅦ  卍 自由ってなんだ!? 卍

 「勝手気ままに振る舞うさま」というのが辞書の定義だけど、勝手気まま、傍若無人、思うがまま、そんな振る舞いを始めたらとたんに身の回りの「社会」というものを掻き乱し大勢を不快にさせ(結果的に人間関係にどっぷり「束縛」され)、最悪刑罰の対象になって物理的「自由」も奪われちゃいます。


 だから勝手気ままに振る舞う、という行為は「自由」という言葉とはなんの関係もない、あるいは間違ってないんだけど、たいがいは青春暴走映画とかピカレスク小説で表現されるように、ネガティブな概念であり、にもかかわらずなにか言葉の独り歩き的に憧れの対象になっている。


 対義語を漁ると「統制」「束縛」……。

 いまの社会そのものを表すような言葉が出てくる。


 じゃあほかに自由でいることってなんだ?というと、たぶん精神状態に関することなのだと思う。

 考えるだけならなにを考えても自由です(そうじゃないと言う人もいますけどね~)



 それだけじゃイヤだ!

 という人もいるだろうから、それではどうすればいいのか、というと。

 自由とはまず極力、誰とも関わらない空気人間になることじゃありませんか。


 「極力」と言ったのは人間、人里離れた森でひっそり暮らしてても完全な自由ではないからだ。

 たとえすべての人間関係を断ったつもりでいても、税金は納めねばならぬし電気水道の請求書を送るだけでも誰かの手間になってるし、近隣住民には警戒される。

 誰かの時間や自由を奪って手間をかけさせてる時点で、欠陥がある。

 諸々の関わりを避けるにはまず「わたしは無害です」と積極アピールせねばならず、逆に

社交性が求められる。

 犯罪なんてもってのほかですよ。


 それだけ気配りしてやっと手に入る、自由とはその程度のモノだとおもう。

 自由人でいることとは寂しくて、しかもそれに甘んじるだけの精神力が必要なのでしょう。



 では別のケースは?


 言論の自由? もちろん好き勝手に書いて構わないよ!

 言ったように考えるのは自由ですから、その延長としてなに書いても自由っすよ、当たり前じゃないか。

 でもなにかを表明したとたん反論は食らうし、検証の対象になる。

 その際には「私はあなたの意見には反対だ、だがあなたがそれを主張する権利は命をかけて守る」という有名な言葉通り、相手を尊重する度量が必要になる。

 

 「あのひとはちゃんと話聞いてくれる」という相互信頼を得るまでには、たいへんな気力が要る。

 逆に「あいつは人の話聞かねーし、すぐ癇癪おこすから」と思われたら、自由発言権なんてすぐ取り上げられちゃう。アカウント停止とかそういう話じゃなく、誰も真面目に注意を向けてくれなくなる、ということ。

 まず無視されたり、何言ってもあいつじゃな……と不振がられちゃう。

 そんな状態になって自由に振る舞い続けても、そりゃ自由だけど、いわゆる文壇とか知識人ていわれてるひとたちはそれなりに勉強して実績積み上げて大勢のコンセンサス得てようやく何かしらを発信する権利を獲得しているのだが、そんな巷の努力に唾しているという点で社会を見下してるし、正統な権利なんて認めてもらえない。



 じゃあ「自由のための革命」「自由主義経済」「ジェンダーフリー」とかはどうなの?


 と仰るかもしれませんが、そもそも他者を押しのけて手に入る自由ってなんですかね?

 それが崇高で、生死に関わる差し迫ったことであっても、違う考えの誰かは負けたり押しのけられるし、たいがい遺恨をもたらします。その他大勢の人にも考え方を改めるよう要請したり、じつに多くの不自由を造り出してしまいます。


 してみると【フリーダム/自由】【リベラル/自由主義】などは誤訳かも。

 いや昨今の自称リベラルがしばしば粗暴で迷惑なのを考えると、誤訳ではないのかな(笑)


 少なくとも「勝手気ままに振る舞うさま≠自由」でないとするなら、なにか別の言葉が入り用です。



 おそらくは、日々のあらゆる事柄にたいして肩を竦め「へえ、べつに良いんじゃないの?」と済ませられるのが、巡りめぐって自由でいられることに繋がる。自分はそう思うんですがどうでっしゃろか?

 じっさい誰もがそうすれば世の軋轢なんてほとんど消滅してしまうんだし。


※ 一応断っとくけど自分は言論の自由に120%賛成ですし、世のリベラル活動の大半には批判的ではありませんので夜露死苦!!

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