ⅩⅩⅢ 卍 なろうVS私小説 卍
以前自分は「3年以内になろうから文芸賞が出る」と予言した。ファンタジー大賞ではなく芥川賞とか、そっちのほう。
その根拠は、おたくの高齢化と孤独、それがいずれ大きな共感を生むと 思ったからだ。目ざとい出版業界ならもう気付いているはず。
そういう賞はじつに計算高く儀式的、裏工作の果てに仕立てられると思うので、今年中にその手の小説を書けば「内定」がもらえるかもしれない。
なんか陰謀説のようですが、たとえば、なろう運営がサイトの株を上げよう、格調高くしようと思えば、あり得る。
「今度の芥川賞受賞作はなろう出身!」
そんな見出しは、いまどきはわりと違和感ないでしょう?
要は話題性があればいい。昨今話題を集めたかったら、標的は浮動票……つまり20~50代のわれわれオタクです。
なろう運営内の誰かが学閥とかヨコの連携を辿ってそうした仕掛けを用意する可能性は、あるのです。
どんな組織でもユーザーの年齢が上がると変質する。異世界チートだけではいずれ現実のリアル感に圧倒されてしまう。なろうも10年経ってますから、かつてのニコニコ動画的ステップアップ……ユーザーにとっては必ずしもウェルカムとは言えない変化はあり得るのです。
いまのところユーザーは毎年10~20万人も増え続け、なにもしなくても上手く行っているので、それはないかもしれない……小説ってのは大長編でもフロッピーディスク一枚で余るので、お絵かきサイトや動画サイトほどサーバー拡張にカネがかからない。だから自社株を上げるためにアレコレしなくてすむ。
でも先日の「アンケート」。あれは決算に向けて「われわれはいろいろ模索しています」という動きにほかならず、つまり変化を考えている。なんらかの理由で変革を求められている(はず)
極端な妄想を膨らませると、たとえば自分がカ○ヨム運営だったら、なろうの牙城を崩すために「なろう芥川賞」を仕掛けます。それで、そういうのは気に入らないユーザーを大量に離散させられるでしょう。
とにかく、プロ出版業界の「本を売りたい」というモチベーションは、当たり前ですが節操がないのです。
『機動戦士ガンダム』を馬鹿にして結局日本じゅうからハブられた日本SF業界は、民草にすり寄るため毎年アニメや漫画に星雲賞を与えるていたらくになりました。なろうに芥川賞を与えよう、という動きがあったらそれと同じ、「あんなもん本気で賞を与える気無いんだけど、まあ便宜上ね」ということ。
侮ってはいけない。