ⅩⅢ 卍 セカイを読み解いてやんよ(厨二味) 卍
ニュースを見ると頻繁に現れるコメント「いじめはなかった」
これが茶番だということは誰でも分かるはず。だって誰でもかつては小学生~高校生を経験してるんだもん。その12年間で一度もいじめを目撃したことがない、当事者ではなかった、というならとても幸せな人生である。
ところが堂々とそう主張して厚顔無恥ぶりを晒す大人がなんと多いことよ。
かくも大勢がそんなモヤモヤに慣れてしまって、それで社会が成り立っている。
もちろん成り立っている、ということ自体が幻想のようなもので、実際にはみんな日々の筋の通らないことに苛つき、そういうのが積もり積もって社会の根幹を蝕んでいる。
たとえば大手芸能プロダクションの社長がエロ狸、政治家が利権で腹黒、なんてのはあらゆるマンガ、ドラマで描かれている。いわば大前提というか公然の秘密というか、不思議なことにいつのまに、どこから入り込んできたのか「そういうものだ」という認識を共有している。そういういわば「ビッグテンプレート」ってありませんか?
そして実際そうだった、というのがたまにニュースになるが、そのとたんニュース屋もワイドショーも妙にしらばっくれた態度になって真贋検証作業が始まる。
もちろん法治国家なのだから推定無罪は当たり前なんですけれど、わたしたちは心のどこかで人間の後ろ暗さをちゃんと認めているのであり、そうした面に眼を向けず、つまらない社会規範に照らし合わせてコメントを吐くテレビ芸人の嘘くささに辟易する。
感受性の強い人なら尾崎を熱唱したり中二病を発症する瞬間である。
学校で起こる事件なんかその最たる物で、生徒同士のいじめや理不尽な態度のムカつく教師なんて、繰り返すが全日本人が自分の経験を顧みれば理解できること。
「学校で冴えなかったやつが教師になって生徒に復讐するように独善的正義を振りかざしてる」という認識さえずいぶん前からある。
そのような教育についての諸々は、ハインライン先生が60年も前【宇宙の戦士】に書いてること。だからある程度普遍性のある問題なんだろうけど検証したり改善しようという話は聞かない……残念ながら社会には自尊心が強すぎて不実から目を背けられないという人より、事なかれ主義、保身に熱心、間違いに気付いていても自己正当化に躍起になる人のほうが多い。そして【宇宙の戦士】に書かれているように「青少年の非行のうしろにはかならずそれを増長させる大人がいる」のだ。
じゃあどうすんの?と言われれば処方箋はない。ドラスティックな改革とやらを施行してくれるラインハルト陛下の降臨を待つわけにも行かぬ。なのでまとめもない文を書き連ね投稿してみる。いつかはなろうの秀才が物語に落とし込んで、警鐘的な作品を書いてくれるかもしれない。