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17話 栞の講義ー08


「……………ふぅん、恐竜、か。


何でそれを一番始めに思いついたのか、聞いてもいいかな?


…………………何となく、ねぇ。そう、何となく、か。


何となくというのはね、本人はそう感じているだけで、本当は何かしらの理由があって選んでいる場合が多いんだよ。

それを踏まえた上でもう一度聞くけど、何か理由を思いつかないかい?



…………………そうか。なら本当に「なんとなく」思いついただけなのかもしれないね。



そういう私も、「なんとなく」話しておきたい話があるんだよ。奇遇だね。




―――分かりやすい力は、分かりやすく滅ぶ。

歴史上における強権者というものは、えてして、自らを正義と考えている人々によって滅ぼされる可能性が高い。

これは別に強権者に限った事ではなく、全てのものは、いつかは滅ぶのだけれども。


人は、自分よりも恵まれている人を、基本的に嫉妬し、時には憎む事もある。

私は、【能力者】というだけで逮捕される今の世界も、だから似たようなものだと思うのさ。


そんな中で、【能力】をひた隠しにして生きている人間のストレスは、どれ程のものだと思う?

いつか、自らの手で、それらを全て破壊してしまいたいと思う人間が出てきても、当然だと思わないかい?


権力や、政治力、力にもいろいろあるけど、一番分かりやすいのは暴力だね。

それの象徴として、恐竜を利用するのは、なかなかいい手なんじゃないかな。

何より恐怖を植えつけやすい。ん?どうした、青い顔をして?

……ふふ、思い出したら怖くなってきたのかい?



本当に強い人は、それを他人に気付かれないようにしているだけなんだよ。

決して弱い訳じゃない。弱者を装っているだけで。

だから、分かりやすい力は、分かりやすく滅ぶ。

―――彼は、やり方を間違えたんだね。



…………………彼って、誰の事だって?

……………さぁ?分からないな。別に誰かを想像して話してる訳じゃないし。

最初に言った通り、「なんとなく」話してるだけだからね。



さて、そろそろ私は行くよ。

君は、もう一眠りしておく事をお勧めするよ。

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