表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
87/200

5話 チェック


「よし、そろそろ5分だな!!」


そう言う亜空の額には、汗の玉が幾つも出来ている。

【代償】とはまた別に、【能力】を使う事で、疲労も溜まるのかもしれない。


何も出来ない自分が腹立たしかった。


「おい茉莉、そこにいるな!?あと10秒経ったら【縮める】から、出来るだけ大きな声で合図してくれ!!」


「分かった!!」

と大声で返す。

頴娃君にも聞こえるかもしれないが、そんな事も言ってられない。

何せ、亜空には僕はもう【認識】出来ていないのだ。

かといって、状況的にあまり亜空から離れる訳にもいかない。


………だんだんと、骨との距離の【広げ】方が際どくなっているのは、気のせいではないだろう。


そういえば、頴娃君はどこだ?

さっきから、執拗なまでに襲ってくる骨に意識が行き過ぎて、いつの間にか見失ってしまっていた。

慌てて辺りを見回すが、姿は見えない。


壊れた本棚の裏側に隠れているのか?

それとも―――それとも、英知を追いかけたのか?

だとしたら英知が危ない!!



……………落ち着け。

ここで僕が落ちつかないでどうする。自分に出来る事を確実にしよう。

僕は、出来る限り大きな声で、

「今だっ!!」


と叫んだ。


これだけ巨大な空間だ。

どのように縮むか分からないが、相当大きな衝撃があるだろうと、全身を身構えさせる。



―――が、いつまで経っても衝撃は来ない。

それどころか、何も起こらない。


「あ!?おかしいな!?何でっ!!っと!!…………っつー。」


困惑していた亜空は、一瞬【広げる】タイミングを誤ったらしく、間一髪で骨の攻撃を交わした。

否、少し掠ったようだ。痛そうに顔を顰めて、腕を抑えている。



その時、僕の目の前にある本棚の陰から、くすくす、と笑い声が聞こえて来た。





「ふふふ。茉莉さん、貴方は本当に、詰めが甘すぎですよ。」

本棚の陰から、今までの比ではない光を放つ本を片手に、黒衣の少年が姿を現した。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ