表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
86/200

4話 存在意義


「………それで、具体的に言うと、あとどれくらい【広げ】られるの?」


「んー、そうだな。っと!!今のも含めて、あと………4回くらいかな。」



実質あと3回しかないじゃないか。

そういう事はもう少し早く言って欲しかった。


「いや、そんな不満そうな顔されてもな。言おうとしたら、お前が急に大声出したから。」


どうやら不満が顔に出ていたらしい。今度から気をつけよう。

大声、という事は多分、大事な事だから〜の時か。


まぁ、自業自得と言えば自業自得だな。


…………さて、と。どうしようか。

あらためて考えてみても、過酷な状況だなぁ。

選択ミスイコール死だなんて。

こんな状況は、今まで生きてきて始めてだ。当たり前だけど。


「………一旦【縮めた】ら、もう一回【広げる】回数が増えたりしないの?」


「しないな。【広げる】のも、【縮める】のも、同じように【能力】使うから。っな!!」


早くも一回分無駄にしてしまう。

いや、厳密に言うと無駄にはなってないんだけど。


「……なぁ茉莉。これ、撮影なんかじゃないんだろ?」

ふと、急に真剣な表情で言う亜空。


「…………」


「なぁ、俺真剣に聞いてるっ!!んだぞ。珍しく。」


あと一回。

自分で珍しくとか言うなよ。

……どうなんだ。亜空の事を信用してもいいものだろうか。


「………」

今日一日だけで、随分疑り深くなったという、実感がある。

頴娃君の豹変、【此処】という場所、そして栞。

何もかもが疑わしく思えてしまう。


恐竜の骨が、恐ろしい勢いで迫って来る。

何度見ても、この恐怖に慣れる事はないだろう。

「どうなんだ!?茉莉!!」


怒声ともとれる声とともに、今までとは比べ物にならない程の距離、骨を引き離す亜空。



「………そうだよ、ごめん。………理由は………これを乗り切ったら、話すから。」

僕は、結局亜空を信じる事にした。


信じるという事を忘れてしまったら、自分のアイデンティティを、失う様な気がしたから。




僕がそういうのを聞いて、亜空は大きく頷くと、自信満々に言った。



「そういう事なら任せておけ。【代償】に食い込むから、出来れば使いたくなかったんだが、まだ充分【広げ】られるから!!」







評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ