4話 栞の講義ー03
「さすがにこの定義は知っているだろう?歴史学の授業の始めに習う所だからね。こんないい加減なものを定義にするなんて、よっぽど政府も困っていたと見えるね。結局何も分かっていないのに、いかにも分かった風に書いている。全くもって小賢しいね。それでこの定義なんだけど、私が思うに…………………
ん?何だいその顔は…………………もしかして、知らないのかい?
あきれたな。君は授業というものをなんだと思ってるんだ。
いや、そんな固い事を言うつもりはないけどね。どんなサボリャーでも、少なくとも始めの数回は授業に出るものだと思ってたから。
うん。まあ、私の思い込みなんだけど。
んん、ごめん。そうだよ。サボる人だからサボリャーだよ。だからごめんって。
…………………君と話していると、すぐ話が横道にそれるな。やれやれ、僕の意外と苦手なタイプかもしれないよ、茉莉君、君は。
うん、話を戻すよ。えーと、どこまで話したかな。
…………………ざっと見た感じ、君の体には目立った特異点はないようだね。何を代償としてるか、聞いてもいいかな?
ふん、言いたくない、と。
まあそうだろうね。私だって自分の能力をひけらかすのはごめんだからね。
うん、でもまあ、ここでは信頼する事が大事だからね、気が向いたらでいいから教えてくれたまえ。
ん?私の能力?
…………………君は変態さんだなぁ。女性の秘密をそんなに気安く聞くものじゃないよ。
え、信頼?
…………………まあいいじゃないか。ほら、話を続けるよ」