2話 栞の講義ー02
「医者がさじを投げたと分かるや政府は―――まぁ凄くありがちな話だから、本当は話すのも嫌なんだけど―――【病人】を隔離する事にした。
その時点での政府の認識なんてそんな甘いものだったんだ。その程度で解決出来ると思っていたんだろうね、あの連中は。全く真剣にこの問題に取り組もうとしてなかったんだよ。
君もその身を持って体験してるだろうが、知っての通り私達のこの【能力】は非常に多岐に渡る。何故発祥するのか、何が原因で人間にこのような能力を駆使する事が可能なのか、物理法則はどうなったのか、治療する方法はあるのか、エトセエトセ。その他諸々あるんだが、これらの問題のただ一つとして、政府も医者も答えを見つけられていない。この国の、無能さが垣間見えるようだね。
ん?さっきから口が悪すぎるって?
…………………うん。不快に感じたのなら謝るよ。
…………………ん?ああ、余りその話には立ち入ってくれるな。
ふう。やれやれ。君もなかなか話をそらすのが好きだね。ソラシャーだね。
いやごめん。だから、突っ込むのは止めてくれよ。止めようとは思うんだけどね、つい言ってしまうんだよ。
え?だから、分かるでしょ?反らすから、ソラシャーだよ。話を。
分かっててなじらないで欲しいな。私だって恥ずかしいんだから。
全く。君のせいで変な性癖に目覚めてしまいそうだよ。
あ、いやいや今のは失言だ。記憶から抹消してくれたまえ。
…………………さぁさぁいい加減に話を戻そうか。さっきから全然話が進んでいないような気がするよ。
それでね、それでも政府は一つの結論を出した。それは成果とも言えないくだらないものなんだけど、まぁ政府としても何らかの
発表―――少なくともそれらしき物をしないと、格好が付かなかったんだろうね。
それは能力に関する、現在定義とされているものだ。