幕間 茉莉の日記
栞と一緒に茉莉の日記を読んでみる場合は茉莉の日記【http://ncode.syosetu.com/n9663e/】へ。「同一作者の他の作品」という所から飛んで下さい。
日記を読まなくても、一応スジは通るようにするつもりですが、日記内に、複線が多数張られる予定ですので、読んで頂ければ幸いです。
ぺらりとページをめくる。
「ん?何だい?それは。」
いつの間にか部屋に来ていた栞が、上から覗き込むようにして聞いた。
「ん、ああ、いたのか栞。……これは、日記だよ。ここに来てからの。」
「日記!?はぁん、日記なんて書くのかい?君は。」
「何だよ!!僕が日記書いてるのが何かおかしいか?」
「いや、ちょっとびっくりしただけだ。ふぅん、君がねえ。そういうキャラには見えないが。君はもっとこう暴力的な………」
「ええっ!!僕ってそんなイメージなの!?」
だとしたらちょっとショックだ。
「あはは、冗談だよ。相変わらず直ぐに間に受けるんだね、茉莉君、君って奴は。」
「…………君の冗談は、微妙にたちが悪いんだよ。」
「ふん。そうかい?ところで、結構なページだね。何ページくらいあるのさ。」
「さぁ、ページ数は直ぐには分からないけど、50ページは超えてるんじゃないかな。」
「………そういえば、君が【此処】に来てから、そろそろ1ヶ月になるのか。」
「相変わらず君は記憶力がいいね。人の事なのにそんなに覚えてるんだから。………明日でちょうど1ヶ月なんだ。だからこうして―――」
「―――感傷に浸っている訳かい?」
何でそういう言い方をするんだよ。まったく、栞。君という人間は。
―――――まぁいいさ。今日は何だか、すがすがしい気分だから。
「ほら、栞。君も読むかい?」
「ふん。まぁ暇つぶしにはよさそうだね。」
と、やはり憎まれ口を叩きながら受け取る。
そして僕は、椅子に腰掛けて日記を読む栞を見ながら、この一ヶ月の事を思い出していた。