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※4話 信じさせるべき言葉

【茉莉】が【能力】を得る事になった【契機】は孤独らしい。

らしいという言い方しか出来ないのが自分でも不甲斐ないが、あの男がそう言っていた。

あのいけ好かない男は、自分の【能力】の事についてはなんでもない事のように喋る癖に、【茉莉】の【能力】については一切教え。てくれない。


同じように【代償】も教えてくれなかった。

今回【契機】を私に教えたのも、必要だったから。ただそれだけの事なのだろう。

死んでも構わないと言っていたのに、よく分からなかった。


奴は、孤独によって得た【茉莉】の【能力】を、私たち【此処】に居るメンバーを使ってさらに強めるつもりらしい。一度信頼関係を築いた上で、完全な孤独を与えるらしい。その上で、【茉莉】の反応をみる。奴にしてみれば、それで【能力】が強化されれば願ったり叶ったりだし、【茉莉】が孤独に耐え切れずおかしくなってしまったとしても、それはそれで面白いのだろう。信じられないほど悪趣味だと思った。その片棒を担ごうとしている私も、たいがい悪人なのだろうが。

仕組まれた事とはいえ、幾つかの危機を共に乗り越え、ある程度の友情を育んだ上で。もっとも、私のそれはきっと張りぼてなのだろうけど。


茉莉君は、私の言葉に酷く動揺したようだ。

必死に今の発言が嘘だった、自分の思い違いだった事にしようとしている。

それが見え過ぎて、私は何だか悲しくもなったし、彼を少し哀れんだ。情けないと、怒りもしただろう。


だけど、話を戻させる訳にはいかない。

私は、悪いと思いながらも再び言った。

「私、一度死んでみようと思うんだけど。」

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