表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
162/200

9話 崩壊ー02

なんだか、気持ちがよかった。

自分の中から、どんどん力が溢れてくるのが分かる。

僕の【能力】がなんだったのか、未だにそれは分からないが。

分からないが、そんな事はどうでもいい。

そんなもの使わなくても、今の僕なら誰にも負けない。

根拠なんてものはない。そんなものはくだらない。

今の僕は誰にも負けない。この本さえあれば。

そんな確信が、あった。



特に当ても無く、廊下をふらふらと歩いていた。

それにしても、この狭い廊下は本当にうっとうしい。

何でこんなに狭いんだ?両手を目いっぱい広げたら、端から端に届いてしまいそうだ。


「………ッチ!!」

苛立ち紛れに、壁を殴ってみた。



ドス、と鈍い音がするだけで、傷もついていない。

「………。」


もう一発。

壁にはやはり傷がつかない。

何の素材で出来ているんだ?




「―――――――よ。」

「駄目―――――――――――ら。」


声が聞こえた気がした。


「でも――――――――のに?」

「―――ら、――――――――――しょ?」


やはり聞こえる。

どこからだ?この廊下には隠れるような場所はない筈だ。

それなのに姿が見えない。

…………ん?

5メートル程向こうの壁が、開いている。

開いている?

ドア?じゃないな。

なんだあの窪みは。

………誰かの【能力】か?

…………………まぁ、いい。


僕がその中を覗くと、そこには二人の女がいた。

一人は金髪だ。外国人か?


………見た事があるような気がする。

が、やはりそれもどうでもいい。

ちょうど、何かを壊したかった所だ。


「………………茉莉、くん?……………よね?」


少し怯えた様子で、背の高い方の女が、問いかけてくる。

何故僕の名前を知っているんだ?


………どうでも、いいか。

今から壊す奴の事情なんて。



どうやら、僕は笑っているようだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ