表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
156/200

3話 ラストディスカッションー06

「ふ。うふふ。」

実に嬉しそうに笑う千寿さん。

どこか真摯な目で見つめてくる。

手に光る【アル・アジフ】は、今までにないくらい光狂っているのに、千寿さんのその目には、確かに理性の光が強く残っていた。


「………何がおかしいんですかね?僕も、もちろん貴方もですが、その本のせいで、何かしら狂い始めている。」


「そうね。面白いわ。」


面白い?まぁいい。

「だから、僕もその原因を確かめたいんですよ。自分の手で。」


「ふぅん、ふふ、それで?」


「だから、さっきから言っているように、その本を僕に貸して下さい。」


「それは無理ね。当たり前だけど。」


「少し触るだけでいいんです。」


「それで何が変わるのかしら。………ほら。」


そう言いながらも、千寿さんは、僕の手にそれを、押し付けるように触らせようとした。

駄目だ。それじゃ駄目なんだ。せっかくここまできたのに。


「手触りとかっ!!ほら、いろいろ確かめたいですからっ!!」



「うふふふふふふふふふふふふふふふふふふ。それで?何を言っているの?」


「だから―――」

自分でも、理屈が通っているとは、とてもじゃないけど思えないが、なりふり構っていられない。

千寿さんの精神力の強さに賭けてみるしかない。


「―――だから、色々確認するために、この縄、そろそろ解いてもらえませんか?」


僕がそういうと、千寿さんは、何がそんなにおかしいのか、狂ったように笑い始めた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ