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27話 ラストディスカッションー01

「………面白いわ。」


くすくすと笑いながら、千寿さんが言った。

【アル・アジフ】は不気味に光り続けている。

大丈夫なのだろうか。



というか、面白いって。

………どういう意味で言ったんだ?

「何が、ですか?」


「やっぱり面白いわ、茉莉君、貴方。」


僕が?面白い?何で?

「………だから、僕の何が面白いんですか?」


「その状況で、そこまで頭が回るなんて。………嬉しいわ。私の予想通りの人で。」


回るも何も、回すしかないだろうに。回さなかったら、死ぬのだから。

「そりゃまぁ、命が掛かってますからね。文字通り。」


「普通はね、テンパッちゃって、頭が回らないものよ。そんな状態では。」

僕の手足の縄を、嬉しそうに眺め回す千寿さん。

いや、怖い。怖い。そんなサディスティックな目をしないでくれ。


「………そうですか?」


「そういう意味で、貴方はやっぱり面白い。生贄にするにふさわしいわ。」


「ま、待って下さい!!」

そんな軽いノリで殺されてたまるか。

せっかく千寿さんの【能力】が分かったんだ。



「?まだ何かあるの?」


「質問があります。」


「ふぅん。………仕方ないわね。私の【能力】を、完全では無いにしろ当てたご褒美に、答えてあげる。」

にやりと笑んだその顔は、もう完全に仮面のそれでは無かった。

【アル・アジフ】も、さっきより強く光っているし、そろそろ本当にタイムリミットかもしれない。



さっき千寿さんは、僕がこの場所で死ぬ事はまだ【確定】していないと言った。

それは、彼女が僕の死ぬ未来を【選んで】いないという事だ。

【選ばない】でいてくれたのか、【選べなかった】のか、それは分からないけど。

ここからどうにかする事も、不可能ではない。筈だ。



一度小さく深呼吸した後、僕は最後の質問タイムに入った。

「千寿さん。貴方の目的は、何なんですか?」

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