表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
140/200

17話 笑顔のペルソナー01


そんな事を言ったって。

知らないものはしょうが―――なくないのか。

しょうがなくない。

そうだ。

考えればいい。


分からない事は、考えればいい。


そんな当たり前の事を、どうしてか僕は失念していた。



笑うというのは、つまり、

「どんな時でも、できるという事ですか。」


微妙にほほの端を吊り上げて、千寿さんが問うてくる。

【アル・アジフ】は、仄かな明かりを灯しただけだった。

「どういう事、かしら?」


「つまり、他の感情よりも、汎用度が高いんじゃないですか?他の感情は、―――怒り泣きなんかの例外もありますが―――そんなに自由に扱えないと思います。」


「まぁ、大方それで正解。大分、頭が回ってきたみたいね。」


「おかげさまで。」



皮肉を言えるようになれば上等だわ、とつぶやくと、千寿さんはさらに質問をして来た。

「さて、じゃあなんで私は、ずっと笑っているのかしら?」



僕との会話が楽しいから、ではもちろん無いだろう。

そうだったら、平和的でいいのだけれど。


悲しい時にも、怒っている時にも、もちろん楽しい時にも、笑顔を作る事は出来る。

つまり―――


「感情を、抑えているんですか?あるいは閉じ込めている?」



笑顔を崩さないまま、千寿さんは満足そうに大きく頷くと、言った。

「そう、私は【笑顔】でこの本の【能力<ちから>】を抑えているの。感情がむき出しになればなるほど、この本の圧倒的な【能力】に押し流されてしまうから。」




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ